インプラント義歯とは



 インプラントとは、失われた歯を補うために、人工の歯の根をあごの骨のなかに埋め込み、その上に人工の歯を取りつける治療法です(図47)。本来は人工の歯の根をインプラント(人工歯根(じんこうしこん))と呼びますが、治療法も含めてインプラントと呼ばれています。人工歯根の上に取りつけられた歯をインプラント義歯と呼び、取り外しが可能なものや、固定されているものなど、多くの種類があります。
 人工の歯をあごに埋め込む治療は、紀元前から行われていますが、治療法として確立されたのはここ数十年の間です。現在、最も多く使われているインプラントの材料はチタンで、そのほかにセラミックスなども用いられています。

インプラントによる治療

 インプラントは、従来の治療法のひとつであるブリッジとは違い、失った歯を補うのにまわりの歯を削らないだけでなく、噛んだ感覚も自分の歯と同じようになります。失った歯が広範囲に及ぶ場合にもインプラントは可能で、1本の歯がない場合から、すべての歯がなくなった場合まで、広範囲な治療が可能です。
 具体的には、歯がなくなった部分の骨に数本のインプラントを埋め込み、これを土台にして入れ歯を維持装置で固定します。すると従来の入れ歯のように不安定に動かないだけでなく、歯肉(歯ぐき)で噛むのではなく骨に力が伝わるので、よりよい感覚が得られます。さらに、入れ歯をまわりの歯に固定する金具(バネ)もないので、口のなかの異物感も少なくなり、自然な噛み合わせを取りもどすことができます。

治療にあたっての注意

 インプラント治療は誰にでも受けられるわけではなく、心臓病、糖尿病などの持病がある人や、妊娠中の人などは受けられない場合があります。また、あごの骨の状態によっても受けられない場合があります。いずれにしても、施術前の十分な診査が必要になります。
 現状では、インプラント治療は医療保険外の扱い(自費)となっています。インプラントの本数・種類によって治療費は異なるため、インプラント治療を希望する場合には、事前に主治医などに相談してください。