むし歯や外傷などで、歯の一部に穴があいたり欠けたりした部分(欠損部分)を、適当な材料で修復することを充填といいます。充填により、歯の機能(噛む、話す、審美性)を回復すると同時に、さらなる疾患(むし歯や歯周病)の予防を行います。
 近年は歯に接着する材料の開発・進歩により、欠損部分以外の健全な歯を極力削らないで保存する方法が可能になり、通常の歯科治療ではこの接着性の材料が充填で用いられています。
 充填はその材料により、レジン充填、グラスアイオノマーセメント充填、および接着アマルガム充填、などがあります。
(1)レジン充填
 レジンとは歯科における通称名であり、一般にはプラスティックといわれています。これらの製品の一部を歯科用として、用法や性質を改良して利用しています。このレジンを用いて歯の欠損部分の修復を行うことを、レジン修復といいます。レジンには歯冠色を出す目的で顔料が加えてあり、そのため欧米ではレジン充填のことを歯冠色修復とも呼んでいます。
 近年、歯の接着剤の開発や改良がなされ、またレジン材料自体の性質も飛躍的に向上しています。さらに、歯冠色修復という高い審美性を具現化した接着性コンポジットレジン修復は、前歯のみならず臼歯(きゅうし)(奥歯)にもその適応範囲は拡大し、主要な充填法として一般的となりました。
(2)グラスアイオノマーセメント充填
 1970年ころ開発されたグラスアイオノマーセメントは、歯の色をしており、審美性にも優れ、適当な機械的強度や物理的性質をもちます。また歯と接着することや、フッ素を徐々に放出する性質もあります。グラスアイオノマーセメントは充填に限らず、冠などの合着用や小窩裂溝(しょうかれっこう)封鎖用(フィッシャーシーラント)などといった幅広い領域で適用されています。
(3)接着アマルガム充填
 アマルガムは、水銀と他金属との合金の総称です。現在の歯科用アマルガムは、銀・スズ・銅を主成分とする合金粉末と水銀を練り合わせ、充填します。この合金は練和直後には泥状ですが、その後すぐに結晶となって硬くなります。この特性を利用することにより、簡易かつ安価な金属材料として、約100年以上も前から広い範囲の修復に応用されてきました。
 歯科用アマルガムはスズが含まれ、歯の接着材ともよく接着するため、近年、歯の接着材とアマルガムを同時応用した接着アマルガム充填も行われています。