乳歯とむし歯

 乳歯は生後7〜8カ月くらいから生え始め、3歳くらいで20本全部が生えそろいます。生まれてすぐの赤ちゃんの口のなかはとてもきれいなのですが、少しずつ菌がすみついて、バランスを保ちながら成長していきます。このなかにミュータンス菌のようなむし歯の原因菌が仲間入りすると、歯に付着し、汚れを栄養にして増え始め、むし歯をつくります。
 現在、むし歯を予防する効果的な手段として用いられているのは、フッ化物塗布や甘味制限、歯みがきなどです。フッ化物を歯に塗布することによって歯質を強化し、むし歯になりにくい状態にすることができます。また、甘味制限をすることにより、口のなかにいるむし歯菌が増えないようにすることができます。

子どもの歯みがき

 それでは、歯みがきにはどんなはたらきがあるのでしょうか?
 歯みがきには、汚れをとるというはたらきと、食事によって酸性に傾いた口のなかの状態を元にもどすというはたらきがあります。
 むし歯菌は、口のなかの汚れを分解して歯垢をつくり、歯の表面で増えていき、口のなかを酸性にします。この時、口のなかに糖分がなければ酸性になった歯垢に唾液がしみ込んで、数十分後には中和されるのですが、だらだら食べていると、口のなかが酸性のままになり、唾液の作用が追いつかなくってしまいます。
 ですから、甘味制限をし、規則正しい食生活をするとともに、歯みがきすることによって、むし歯になりにくくすることができるのです。
 3歳ごろになると自分で歯みがきができるようになるので、上手にみがけるように、手や顔を洗うことと同じように毎日トレーニングしましょう。口に物を入れるようになったら、のどの奥までいかないストッパー付きの歯ブラシなどを、おもちゃの代わりに持たせてみることからスタートするとよいでしょう。この時、お母さんは目を離さないように気をつけてください。

歯みがきはスキンシップ

 育児のなかで歯みがきを考える時に、忘れてはならないことがあります。それは、歯みがきタイムが親子のスキンシップタイムになるということです。ですから、赤ちゃんのころから歯みがきタイムを楽しい習慣にすることはとても大切です。
 歯みがきのために、子どもを膝の上にあお向けに寝かせて口のなかがよく見える状態にすることには、歯みがきをしやすい体位にするという意味と、さらに親子がより近く触れ合うことができるという2つの意味があるのです。
 お母さんがにこにこ笑い、楽しい話をしながら歯みがきをしてあげれば、子どもは歯みがきタイムを待ち望むようになるでしょう。
 1日1回は、楽しい歯みがきタイムをつくりましょう。また、みがき残しをなくすため、小学校に入学するまでは仕上げみがきを忘れないようにしましょう。