咽頭がん<のどの病気>の症状の現れ方


(1)上咽頭がん
 頸部腫瘤(けいぶしゅりゅう)と耳症状が最も多い症状です。耳症状としては詰まる感じや聞こえが悪いなどがあり、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)と診断されている場合があります。そのほかに、物が重なって見える眼の症状、鼻出血鼻閉などの鼻症状、がんこな頭痛などいろいろな症状があります。

(2)中咽頭がん
 咽頭痛や嚥下痛(えんげつう)、のどのはれた感じなどが多くみられる症状です。頸部リンパ節腫大もあります。

(3)下咽頭がん
 のどが詰まった感じや咽頭の違和感に始まり、嚥下痛、咽頭痛、声のかすれなどの症状が出ます。進行すると食事が通らなくなります。頸部リンパ節腫大もあります。

咽頭がん<のどの病気>の診断と治療の方法


(1)上咽頭がん
 放射線治療と抗がん薬治療(化学療法)を組み合わせて行うのが一般的で、手術が第一選択になることはありません。放射線治療後に補助化学療法を行う方法や放射線照射に抗がん薬を同時に併用して行う方法、全身的に抗がん薬治療を行い、そのあとに局所の上咽頭を中心に放射線を照射する方法などがありますが、抗がん薬同時併用放射線照射が主流です。
 放射線治療と化学療法の2つを組み合わせることにより、治療成績は著しく向上しています。最近ではIMRT(強度変調放射線治療)により口腔乾燥を軽くすることができます。

(2)中咽頭がん
 I期やII期のがんでは放射線治療となります。外照射では治療後の唾液腺の分泌障害による口腔乾燥症が問題となります。また小さいがんでは、口腔内の変形は残りますが、切除もよい治療法です。
 一方、III期、IV期の進行がんでは手術治療になり、その場合には再建手術も必要になります。軟口蓋を大きく切除したり、舌根部を大きく切除した場合には嚥下機能障害が術後に生じる場合があるため、嚥下障害に対する手術が必要になります。また舌根がんが下方に進行している場合には、喉頭も合併切除します。

(3)下咽頭がん
 手術治療が第一選択となります。初診時にすでに進行がんになっていることが多いので、咽頭喉頭食道摘出術という下咽頭とともに喉頭を摘出する手術を行い、空腸(くうちょう)などを用いた遊離皮弁(ゆうりひべん)や大胸筋皮弁(だいきょうきんひべん)などで下咽頭を再建します。その場合、喉頭がんと同様に喉頭も全摘するので、永久気管孔となり音声機能を失います。
 最近では、限局した下咽頭がんでは、がんを部分的に切除して喉頭を温存し再建する方法や、表在がんでは内視鏡で切除する手術方法もあります。また早期のがんであれば、放射線治療で治癒します。