どんな状態か

 誤って異物を飲み込み、それが咽頭や食道に停滞、嵌頓(かんとん)(はまり込む)することによって起こります。


 異物の種類としては、小児では硬貨やおもちゃ、円盤状電池など、大人では義歯(ぎし)や魚の骨、薬を包装(PTP)のまま飲み込むことなど(図7)が多くみられます。このほか、食道の内腔が狭い場合は、食物塊が狭窄(きょうさく)の口側に停滞する場合があります。

症状の現れ方

 異物を飲んだと気づかない場合は、ものが飲み込めない、吐く、胸痛、吐血などの症状が出ます。幼児では、吐く、唾液が多いなどがあり、乳児では哺乳のたびに泣くなどの症状が現れます。異物が食道壁を破った場合は、発熱、胸痛、腹痛さらには呼吸困難などの症状が出ます。
 小児では、円盤状電池を飲んで4〜8時間くらいたつと、食道組織の破壊が起こり、食道潰瘍から穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)を起します。したがって、疑わしい場合は早急に内視鏡検査が可能な病院へ行く必要があります。

検査と診断

 硬貨、電池、入れ歯などは、胸部・腹部X線検査でその存在がわかります。X線で透過してしまうようなPTP、食物、おもちゃ、小さい針などはわからないことがあります。
 この場合は、水溶性造影剤(ガストログラフィン)を使用して食道の造影を行う方法もありますが、小さいものは見逃してしまうことがあるため、治療目的も兼ねて、内視鏡検査が必要になります。


 咽頭麻酔後、小児の場合は全身麻酔下に内視鏡検査(胃カメラ)を行います。異物が食道に停滞している場合は、小さいものであれば、鉗子(かんし)でつまんで除去できますが、角が鋭利なPTPなどの場合は内視鏡の先端に透明キャップなどを装着して除去します(図8)。
 また、食道穿孔の可能性がある場合、内視鏡的に摘出が困難な義歯などは、全身麻酔下に食道を切開して摘出します。

症状に気づいたらどうする

 成人では異物を飲み込んだ自覚のある人、また食物がつかえる、飲み込むと痛いなど症状がある場合、小児では食べると吐く、つばを飲み込まない、何となくおかしい場合は、病院(診療所)で胸部X線検査、内視鏡検査が必要です。時間とともに重症となる円盤状電池、鋭利な物などは、小児のそばに置かないよう気をつける必要があります。