食道損傷とはどんな病気か

 食道内や体外からの刃物などによる機械的損傷(食道壁に傷ができること)や、薬などによる化学的損傷、食道内圧の上昇などにより、食道壁の一部または全体に傷ができることをいいます。


 大部分の食道は後縦隔(こうじゅうかく)(脊椎(せきつい)の前)にあるため、外部からの機械的損傷は少なく、飲み込んだ異物や薬物により損傷する場合が多くみられます。病院で胃のカテーテルや内視鏡治療の際に損傷が起こる医原性のものもあります。また、嘔吐などで急に食道内圧が上昇すると、食道壁に傷または孔(あな)があく場合があります(食道破裂(しょくどうはれつ)、図9)。

症状の現れ方

 食事時の痛み、胸痛、吐血、頸部(けいぶ)のはれ、発熱などが現れます、ひどい時には、呼吸困難、ショック状態となります。

検査と診断

 一般の血液検査(白血球、赤沈、CRP)により全身への炎症の程度をみます。胸部X線検査では、炎症が後縦隔、胸部へ波及しているかどうかをみます。水溶性造影剤(ガストログラフィン)による食道造影、内視鏡検査により食道の損傷部位、程度を観察します。また、CT検査で後縦隔内の炎症の波及領域を調べます。

治療の方法

 食道の損傷の程度や炎症が、どのくらい食道壁を越えて波及したかにより、内服治療や絶食などの内科的治療で治るか、手術などの外科的治療が必要かを決めます。
 食道損傷は、状態によっては生命の危険性もあるため、損傷の疑いがある場合は、もよりの救急病院へ受診してください。