胃軸捻転症<食道・胃・腸の病気>の症状の現れ方

 症状は、急性あるいは慢性の経過をたどりますが、捻転の種類や閉塞の程度によって違います。急性の場合には嘔吐、激しい腹痛、上腹部の膨満(ぼうまん)感を来します。ボルヒアルトの3徴(吐物のない嘔吐、上腹部痛、胃管挿入困難)が有名です。急速に生じた捻転の程度が180度を超えた場合には完全閉塞となって循環障害を起こし、胃壁の壊死(えし)、穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)を合併してショック状態となることがあります。そのため、急性型では慢性型に比べて死亡率が高くなります。
 小児では急性型はまれで慢性型が多く、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹部の膨満などの症状がみられますが、無症状の場合もあります。また、食道裂孔ヘルニアに合併した場合には腹部の症状に乏しく、胸部痛、呼吸困難などの胸部の症状が主体になります。

胃軸捻転症<食道・胃・腸の病気>の診断と治療の方法

 慢性型の場合は、横隔膜や胃自体に異常がなければ、多くは体位の工夫、食事を少量ずつ回数を多く摂取する、浣腸による排便・排ガスの促進などの保存療法によって軽快します。
 急性型で完全閉塞を起こした場合は、循環障害によって胃壁の壊死を生じる危険性があるので、胃管挿入などで軽快しない場合には緊急に開腹手術を行う必要があります。手術療法は、捻転を整復したのちに原因疾患の治療と、胃を腹壁や横隔膜に固定する胃固定術を行います。胃が壊死している場合には胃切除が必要な場合があります。また、最近では腹腔鏡による治療も試みられています。