腸閉塞(イレウス)<食道・胃・腸の病気>の症状の現れ方

 突然、激しい腹痛と吐き気・嘔吐が起こります。おなかが張り(膨満(ぼうまん)、膨隆(ぼうりゅう))、やせた人では腸がむくむくと動くのが、おなかの外から見えることもあります。多くの場合、腸が詰まった瞬間に突然発症します。
 腹痛は、きりきりと強い痛みが起こり、しばらくすると少し和らぎ、これを繰り返す「疝痛(せんつう)発作」と呼ばれる特徴的なものです。
 嘔吐の吐物は、最初は胃液(白色から透明で酸っぱい)や胆汁(黄色で苦い)ですが、進行すると腸の奥(小腸や大腸)から逆流してきた腸の内容物となり、下痢便のような色合いで便臭を伴うようになります(吐糞症(とふんしょう))。嘔吐の直後は、いったん腹痛や吐き気が軽くなることが多いようです。
 腸間膜も圧迫されたり、ねじれたりする絞扼性腸閉塞では、激しい腹痛が休まることはなく、時間とともに顔面蒼白、冷汗、冷感もみられ、脈や呼吸も弱く速くなり、ショック状態になります。

腸閉塞(イレウス)<食道・胃・腸の病気>の診断と治療の方法

 絞扼性腸閉塞でなければ、ほとんどは手術以外の方法(保存的治療)で治ります。食事や飲水を中止し、胃腸を休め、十分な補液を行います。
 病状が進行して、腸の張りが強くなった場合は、鼻から胃や腸まで管を入れ、嘔吐のもととなる胃や腸の内容物を体の外に汲み上げます。腸の張りが少なくなれば、腸から吸収され快方に向かいます。
 おならや便が出れば、腸の通過障害は一応治ったことになりますが、腸が詰まった原因、つまり癒着や腸がはまり込んだおなかのくぼみは治らないため、再発の危険は残ります。
 手術的治療は、おなかを切ることで新しい癒着をつくることになり、腸閉塞にいっそうなりやすくしてしまうため、避けるのが一般的です。手術が必要な場合は、腸の血管が圧迫されたり、ねじれたりする絞扼性腸閉塞や、保存的治療を1週間以上続けてもよくならない場合、何度も腸閉塞を繰り返す場合などです。