先天性胆管拡張症とはどんな病気か

 肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ流す管(くだ)を胆管といいます。胆管は胎児のごく初期の段階で作られますが、その時の何らかの異常により、管の一部が袋状(嚢腫(のうしゅ)状・紡錘(ぼうすい)状)にふくらんでしまった病気で、先天性胆道拡張症(せんてんせいたんどうかくちょうしょう)とも呼ばれています。
 ほとんどの場合、膵胆管合流異常(すいたんかんごうりゅういじょう)がみられるため、発生原因のひとつとも考えられています。
 欧米人に比べ日本人に多く、また女性に多いため、何らかの遺伝的な因子が関係しているとも考えられていますが、解明されていない点も多く残されています。

症状の現れ方

 多くは小児期に発症し、黄疸(おうだん)、おなかの柔らかな腫瘤(しゅりゅう)(しこり)、腹痛が特徴的な症状とされていますが、これらの典型的な症状に乏しいことも多く、胆汁の流れが悪いために便が白っぽくなったり、胆管炎による発熱や嘔吐によって気づかれることもしばしばあります。
 また、無症状のまま経過し、成人になって発症したり、健康診断などで偶然発見される場合もみられます。

検査と診断

 血液検査では、程度の差はありますが、何らかの肝機能の異常がみられます。
 症状や血液検査でこの病気が疑われたら、まず超音波検査を受けることになります。超音波検査は肉体的な負担がないため乳幼児でも容易に行うことができ、この病気の診断に大きな役割を果たしています。また、最近では、妊娠中の超音波検査により胎児のうちに診断されることも多くなってきました。


 超音波検査で先天性胆管拡張症である疑いが強ければ、引き続きCT検査、MRI、MRCP検査が必要となります。さらに細かい診断が必要な場合は、内視鏡を使って、総胆管の開口部である十二指腸乳頭から造影剤を注入する内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)を行い、診断を確定していきます(図21)。

治療の方法

 この病気は、放置しておくと将来肝硬変(かんこうへん)や悪性腫瘍が発生する可能性があるため、外科手術(拡張した胆管を完全に切除し、正常な胆管と腸をつなぐ)が必要で、最近では新生児でも手術が行われるようになってきました。
 手術後の予後は良好ですが、長期の経過のなかでは、肝内の胆管に結石ができたり、胆管炎を併発することがあるので、経過をみていくことが必要です。

先天性胆管拡張症に気づいたらどうする

 最初に受診する科は小児内科・外科、内科、外科のいずれでもよいのですが、消化器専門医の診断が必要です。正確な診断に基づき、治療方針について担当医とよく相談することが大切です。