膵胆管合流異常とはどんな病気か

 肝臓で作られた胆汁を流す管(くだ)を胆管といい、膵臓で作られた膵液を流す管を膵管といいます。この2本の管は、十二指腸への出口付近(十二指腸乳頭(にゅうとう))で合流して共通管という1本の管になっています。ここでは括約筋(かつやくきん)という筋肉のはたらきで、膵液と胆汁がお互いに相手のほうに逆流しないよう巧妙な仕組みができています。
 この部分は胎児のごく初期の段階で作られますが、その時の何らかの異常により、膵管と胆管が異常な形で合流してしまった場合は、この括約筋がうまくはたらかず、膵液と胆汁が互いに相手の管に逆流し、さまざまな障害を引き起こしてしまいます。
 これらの状態を引き起こす膵管と胆管の先天的な奇形を、膵胆管合流異常と呼びます。先天性胆管拡張症(せんてんせいたんかんかくちょうしょう)のほとんどに膵胆管合流異常がみられますが、膵胆管合流異常があっても胆管拡張のない場合も多くみられます。

症状の現れ方

 膵液が胆管に逆流すると、胆管の壁が損なわれ、胆管炎胆嚢炎、胆石などを合併し、時に胆管が拡張したりします。一方で、胆汁が膵管に逆流すると、急性膵炎を繰り返したり、膵石ができたりするため、腹痛、黄疸(おうだん)、発熱、嘔吐、腹部腫瘤(しゅりゅう)などさまざまなおなかの症状が現れます。
 また一方では、無症状で経過し、成人になって定期健診の超音波検査で胆嚢や胆管の異常を指摘され、精密検査で判明することもあります。

検査と診断

 血液検査では、程度の差はありますが、何らかの肝機能・膵機能の異常がみられます。


 症状や血液検査でこの病気が疑われたら、まず超音波検査、CT検査を受けることになります。非常に診断の難しい部位なのでさらにMRCP検査を行いますが、最終的には内視鏡を使って、総胆管の開口部である十二指腸乳頭から造影剤を注入する内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)を行い、診断を確定していきます(図21)。

治療の方法

 胆管炎胆嚢炎膵炎などの合併症があれば、まずそれらの内科的治療が行われます。
 いったんよくなっても、症状が繰り返されるだけでなく、胆管がんの発生率が高いことなどから、最終的には手術が必要と考えられています。
 手術は胆管が太くなっているかどうかの状態などにより、手術方法が異なる場合もありますので、そのためにも正確な診断が必要となります。手術後の予後は良好ですが、長期の経過のなかでは、胆管炎を再発することなどもあるので、経過をみていくことが必要です。

膵胆管合流異常に気づいたらどうする

 最初に受診する科は内科、外科のいずれでもよいのですが、消化器専門医の診断が必要です。正確な診断に基づき、治療方針について担当医とよく相談することが大切です。