ネフローゼ症候群<腎臓と尿路の病気>の症状の現れ方

 顔や手足にむくみが認められます。時に全身浮腫が著しくなり、胸部や腹部に水がたまる(胸水、腹水)こともあります。尿が出にくくなり、腎機能の障害や血圧の低下を認めることもあります。
 また、ネフローゼ症候群の患者さんの血液は凝固しやすい状況になるので、腎静脈や下肢深部静脈に血栓症を起こすことがあります。

ネフローゼ症候群<腎臓と尿路の病気>の診断と治療の方法

 入院安静が原則です。食事療法では、浮腫に対して水分と塩分の制限を行います。また、蛋白摂取量の制限が推奨されています。
 一次性ネフローゼ症候群での薬物療法としてはステロイド薬が用いられることが多いのですが、その反応性は病型や重症度によって異なります。効果があっても、また再発することもあります。ステロイド薬の投与は長期間になることが多く、糖尿病、感染症、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、消化性潰瘍、高血圧、精神症状などの副作用に注意します。
 難治性のネフローゼ症候群に対しては、免疫抑制薬を併用することがありますが、骨髄抑制、性腺障害、催腫瘍性(さいしゅようせい)などの副作用があり注意が必要です。また、抗血小板薬や、蛋白尿減少作用が認められる降圧薬(アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬)を投与します。
 二次性ネフローゼ症候群では、基礎疾患に対する治療が優先されます。
 ネフローゼ症候群に伴って出現する続発症の治療として、高脂血症に対しては抗高脂血症薬を投与します。むくみに対しては、利尿薬が用いられます。高度な浮腫、胸水・腹水、末梢循環不全状態に対してアルブミン製剤を使用することがありますが、効果は一時的であり、尿蛋白の増加により腎障害を助長することがあるので注意が必要です。機械を使用して血液濾過を行い、体にたまった水分を強制的に除去することもあります。
 小児の微小変化型ネフローゼ症候群はステロイド薬により90%以上、成人でも約75%が完全寛解(尿蛋白の消失)しますが、約60%には再発が認められます。他のネフローゼ症候群は、一般的にはステロイド抵抗性(あまり効かない)が多く、巣状分節状糸球体硬化症、膜性腎症などでは約70%が抵抗性です。ネフローゼ状態が続けば、徐々に腎機能障害が認められるようになります。