馬蹄鉄腎<腎臓と尿路の病気>の症状の現れ方

 一生無症状の人もいますが、水腎症(すいじんしょう)、腎結石、尿路感染などを合併した際に、発見されることがあります。また臍部より腰部にかけて鈍痛を訴えることもあります。とくに仰臥位になった時や、脊椎を背屈した際に、腹痛、吐き気、嘔吐などを認め、前屈(前かがみ)により症状が消失(Rovsing徴候)することがあります。これらの症状は融合部(狭部)が大動脈と大静脈分岐部周辺の神経叢(しんけいそう)、尿管などを圧迫するために生じると考えられています。
 馬蹄鉄腎の随伴異常として、泌尿器系では重複尿管(ちょうふくにょうかん)が10%に、膀胱尿管逆流現象が比較的高率にみられ、腎臓自体にも多嚢胞性異形成腎(たのうほうせいいけいせいじん)などの異常が伴うこともあります。
 性器系では、男児の尿道下裂(にょうどうかれつ)や停留精巣(ていりゅうせいそう)が4%に、女児では双角子宮(そうかくしきゅう)や重複腟(ちょうふくちつ)が7%にみられるといわれています。18トリソミー症候群やターナー症候群では、馬蹄鉄腎がみられる頻度が高いです。

馬蹄鉄腎<腎臓と尿路の病気>の診断と治療の方法

 約3分の1の症例は馬蹄鉄腎の存在が確認されないまま経過し、妊娠・分娩も問題なく経過します。小児で外科的治療を行わなくてはならない症例は、全体の約60%といわれています。
 外科的治療を要するのは、腎盂(じんう)・尿管の通過障害がある場合で、水腎症(すいじんしょう)を来して尿路感染や結石を合併します。水腎症では腎盂(じんう)・尿管移行部(にょうかんいこうぶ)の狭窄(きょうさく)に対し、腎盂形成術とともに、狭部離断術が必要になる場合もあります。