水腎症とはどんな病気か



 尿細管から腎盂(じんう)、尿管、膀胱、尿道までのどこかで尿の流れが閉塞された状態を尿路閉塞症(にょうろへいそくしょう)といいます。そのなかで、とくに腎盂よりも下部の尿路閉塞によって腎盂と腎杯(じんぱい)の拡張が生じ、その結果血流障害が生じ、この状態が続くことにより腎実質は萎縮していきます。このように腎盂・腎杯の拡張に、腎実質の萎縮(いしゅく)を伴っている場合を水腎症といいます(図7)。

原因は何か



 水腎症の原因である尿路閉塞症(にょうろへいそくしょう)は、先天性と後天性に分けられます(表10)。また閉塞部位により上部、下部に分けます。
 上部尿路閉塞の原因としては、先天性疾患では腎盂尿管移行部狭窄(きょうさく)、尿管膀胱(ぼうこう)移行部狭窄が、後天性疾患では腎尿路の結石、腫瘍、炎症があります。下部尿路閉塞の原因としては先天性疾患として尿道狭窄、尿道弁などがあり、後天性疾患として結石、腫瘍(とくに前立腺部)、神経因性(しんけいいんせい)膀胱などが主なものです。

症状の現れ方

 症状は原疾患によって異なります。小児の水腎症は、先天的な病気が原因で生じるものが大部分です。
 尿路が完全閉塞した場合は、腎盂・腎杯内圧が急激に上昇し、被膜が伸展すると、肋骨脊柱角部(ろっこつせきちゅうかくぶ)から側腹部にかけて持続的疼痛が生じます。これに尿路閉塞に伴う尿流の停滞により感染が加われば発熱し、疼痛は激しくなります。一方完全閉塞で徐々に拡張が増強するような場合では、軽い腰部鈍痛か無症状のこともあり、他の病気で医療機関を受診した際や健康診断の際に偶然発見されることもあります。
 成人に多い症状は腹痛です。とくに、結石などの嵌頓(かんとん)や凝血塊(ぎょうけつかい)などによる腎盂内圧の急激な上昇がみられる場合には、疝痛(せんつう)(繰り返す強い痛み)をもたらします。
 また小児と同様、尿の停滞により尿路感染を起こし、いったん感染すると抗生剤に反応しにくいため、膿腎症(のうじんしょう)に進展してしまうことがあります。

検査と診断

 超音波、CT検査などで、拡張した腎盂と萎縮し薄くなっている腎実質を証明します。単純X線検査で、尿路結石を証明できることもあります。
 排泄性尿路造影では、腫大した腎盂が認められますが、腎機能の低下があれば造影剤が排泄されないので、原因精査のため逆行性腎盂造影が必要になることもあります。

治療の方法

 原因により治療法は異なります。
 先天性尿路閉塞症は、早期に診断がつけば外科的に治療可能です。年齢がいくつであっても、原因不明の尿路閉塞症の場合は先天性のものを疑うべきです。手術を行うかどうかは年齢、障害の程度、回復の見込み、片側性か両側性かによっても異なります。
 後天性尿路閉塞症は、尿路結石、前立腺肥大(ぜんりつせんひだい)、尿路腫瘍、炎症によるものなどがありますが、原因や病気の状態により治療法は異なります。

水腎症に気づいたらどうする

 泌尿器科を受診し、尿路閉塞の原因が何かを調べましょう。その原因が泌尿器科的な病気でない場合は、泌尿器科医にその原因疾患を診てもらう医師と連絡をとってもらい、情報を共有してもらいましょう。