甲状腺腫瘍<内分泌系とビタミンの病気>の症状の現れ方

 予後のよい乳頭がんや濾胞がんでは甲状腺のはれ以外には自覚症状がなく、健康診断やかぜなどで医師にかかった時に偶然に指摘されることがほとんどです。また最近は、頸動脈超音波検査やPET検診の普及によって、偶然甲状腺内に腫瘍が発見されるケースが増えており、この場合は、まったく気がついていなかったということもよくあります。
 一方、悪性度の高い未分化がんでは、甲状腺のはれが急速に大きくなり、痛みや発熱が起こります。さらに進行すると、周囲を圧迫して物が飲み込みにくくなったり、呼吸困難が起こったりします。

甲状腺腫瘍<内分泌系とビタミンの病気>の診断と治療の方法

 甲状腺腫瘍を薬で治す方法はありません。甲状腺ホルモンを服用して甲状腺刺激ホルモン(TSH)を抑えておくと腫瘍が小さくなるという考えもありましたが、甲状腺ホルモンが過剰になるために骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が起こるなどの副作用もあり、症例を選んで行われています。
 良性で、とくに甲状腺腫が気にならなければ、そのまま放置しておいてもかまいませんが、時に大きくなったり、濾胞腺腫だと思っていたら濾胞がんであったということもあるので、年に1回は検査を受けてください。
 乳頭がん、濾胞がんの治療は手術が基本で、日本では甲状腺がんのある側の甲状腺と周囲のリンパ節を取り除く手術が行われます。通常は化学療法や放射線療法は行いませんが、肺や骨に転移がある時は甲状腺を全部取り、大量の放射性ヨードを投与すると、がん細胞を破壊することができます。
 未分化がんでは手術や放射線治療、抗がん薬などを組み合わせた集学的治療が行われますが、まだ確実な治療法はありません。