下垂体炎とはどんな病気か

 下垂体に起こる自己免疫性の病気と考えられています。MRIなどの画像検査の進歩により、最近この病気がよく見つかるようになりました。
 下垂体ホルモンの分泌に異常を来すことがあります。その場合は、妊娠、分娩に関連して、女性に多く起こると考えられています。

原因は何か

 自己免疫機序(仕組み)が関係しているといわれていますが、その発生機序は明らかではありません。他の自己免疫疾患の合併も多くみられます。下垂体前葉(ぜんよう)、視床下部(ししょうかぶ)‐下垂体後葉(こうよう)、またはその両者が障害されます。女性例の半数以上は妊娠、分娩に関連して生じています。下垂体に対する抗体が証明されることもあります。

症状の現れ方

 頭痛や視野(しや)障害が最も多く認められ、疲労感、脱力感、吐き気や嘔吐(おうと)、体重減少などが認められます。女性では無月経も起こります。下垂体ホルモンの分泌低下により、前述したホルモン欠落に伴う種々の症状が起こり得ると考えられます。尿崩症(にょうほうしょう)により多飲・多尿を来すこともあります。

検査と診断

 血中下垂体ホルモンの測定やホルモン分泌刺激試験が行われます。抗利尿ホルモンの分泌障害が疑われる例では、尿崩症に準じた検査が行われます。MRIにより、下垂体の腫大(しゅだい)(はれて大きくなる)などが認められます。下垂体の生検により確定診断されますが、経過から推定することも可能です。

治療の方法

 確立された治療方法はありませんが、副腎皮質ステロイド薬の効果が報告されています。また、下垂体前葉機能の低下を生じた場合は、必要に応じてホルモン補充療法が行われます。尿崩症がある場合は、抗利尿(こうりにょう)ホルモンの点鼻治療が必要です。

下垂体炎に気づいたらどうする

 一般の内科での疾患概念の普及や認識も十分ではないので、内分泌専門医の診察を受けることをすすめます。