精巣機能低下症(せいそうきのうていかしょう)

性腺機能低下症とはどんな病気か

 男性で性ホルモンが低下する疾患群です。二次性徴(せいちょう)が現れない(または消失する)、精子形成ができない(=「妊孕(にんよう)性」がない)という問題が発生します。

原因は何か

 精巣自体の障害による高ゴナドトロピン性性腺機能低下症と、上位中枢の障害による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に大別されます。
 最多は前者に属するクラインフェルター症候群で、男児500〜1000人の出生に1人とされます。後者には視床下部(ししょうかぶ)・下垂体(かすいたい)の腫瘍(しゅよう)や炎症といった複雑な病気が含まれ、性腺ホルモン以外に副腎皮質(ふくじんひしつ)・甲状腺(こうじょうせん)などの異常を伴う場合があるため、内分泌内科による精密検査が不可欠です。

症状の現れ方

 小児期発症では、二次性徴が発来しないか不完全となります。20歳ころには、やせ型で背が高く、手足が長く、身長よりも両腕を広げた幅が長い「類宦官体型(るいかんがんたいけい)」になります。
 成人発症の場合、二次性徴の消失や性欲低下がみられます。男性不妊から判明する場合もあります。長期間放置すると、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を来します。

検査と診断

 血中テストステロンの低値が、診断の出発点です。さらに性腺刺激ホルモン(LHおよびFSH)を測定し、これらが高値ならば高ゴナドトロピン性です。染色体検査で「47,XXY」(X染色体が1本多い)が証明されれば、クラインフェルター症候群が確定です。
 一方、低ゴナドトロピン性の場合は頭部MRI検査と、包括的な下垂体ホルモン検査を行います。異常が見つかった場合には、その原因検索に移ります。他のホルモン系統に異常がない場合は、ゴナドトロピン単独欠損症と診断されます。

治療の方法

 妊孕性を希望しない場合は、テストステロン補充療法を(2〜4週に1回筋注)、希望する場合にはhCG+FSH製剤の週2〜3回自己注射(2006年国内承認)を行います。これらの治療は互いに切り替え可能です。
 高ゴナドトロピン性の場合は、一般に妊孕性獲得が困難ですので、もっぱら前者が用いられます。

性腺機能低下症に気づいたらどうする

 取扱いの難しい病気が含まれますので、泌尿器科と内分泌内科の連携が重要です。

卵巣機能低下症(らんそうきのうていかしょう)

性腺機能低下症とはどんな病気か

 女性で性ホルモンが低下する疾患群です。二次性徴(せいちょう)の不全と無月経がみられます。

原因は何か

 卵巣に原因がある高ゴナドトロピン性性腺機能低下症のなかでの最多はターナー症候群です。低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の内容は男性のそれと同様ですが、女性ではとくに分娩時の大量出血に合併するシーハン症候群(下垂体(かすいたい)出血)が特徴的です。神経性食欲不振症による無月経もこの群に入ります。

検査と診断

 男性の精巣機能低下症(せいそうきのうていかしょう)とおおむね同様です。テストステロンをエストラジオールに、クラインフェルター症候群をターナー症候群(45,X)に置き換えます。

治療の方法

 状態に応じて、周期的な女性ホルモン補充で月経を起こさせるカウフマン療法、ゴナドトロピン補充で排卵を期待するhCG‐hMG療法などが選択されます。

性腺機能低下症に気づいたらどうする

 婦人科受診が第一ですが、低ゴナドトロピン性の場合は内分泌内科の関与が重要です。