高尿酸血症と痛風<代謝異常で起こる病気>の症状の現れ方

 アルコールやストレスなどが引き金となって痛風発作が生じる場合があります。発作時には、手足の関節がはれて、熱感を伴う激しい痛みが起こります。だいたい24時間でピークに達し、1〜2週間で自然に痛みはなくなっていきます。
 このような時期に十分治療が行われずに進行すると、痛風結節(つうふうけっせつ)といって関節の周囲などに尿酸塩の結晶が析出して、こぶのようにはれてきます。とくに、足の親指のつけ根の関節や、そのほかの手足の関節、耳の軟骨、腱(けん)、皮下などにも結節は現れます。
 また、尿酸塩が腎臓の髄質(ずいしつ)にたまると、腎機能障害を起こし、これを痛風腎(つうふうじん)といいます。尿酸塩を中心とする尿路結石ができやすくなることも、特徴のひとつです。
 また、高尿酸血症・痛風は虚血性(きょけつせい)心疾患(狭心症(きょうしんしょう)、心筋梗塞(しんきんこうそく)など)の危険因子のひとつとされています。脂質異常症糖尿病、肥満、高血圧などを合併することも多く、その結果、脳血管障害、心臓病を併発してくることも少なくありません。

高尿酸血症と痛風<代謝異常で起こる病気>の診断と治療の方法

 痛風の治療は、痛みを除くだけではなく、尿酸を正常値にコントロールして、痛風関節炎の発現や合併症を予防することにあります。
 治療は薬物療法が中心ですが、食事、嗜好品(しこうひん)などの生活習慣の改善も大切です。
 薬物には、痛風発作に対する治療薬と、尿酸値をコントロールする薬があります。痛風発作の予感がする時、つまり発作の起こる部分がうずいたり、はれぼったい感じなどがあればコルヒチンを服用します。発作が起こってしまってからは、非ステロイド性抗炎症薬を短期間に比較的大量に服用します。副腎皮質ステロイド薬も十分な効果を発揮する薬物です。
 尿酸値を下げる薬には、尿酸排泄促進薬(はいせつそくしんやく)(プロベネシド、ベンズブロマロンなど)、尿酸生成抑制薬(アロプリノール)があります。原則として、前述したような尿中への尿酸の排泄量が低下した患者さんは尿酸排泄促進薬を、体のなかでの尿酸の産生が増加した患者さんは尿酸生成抑制薬を服用します。
 しかし、尿路結石の既往があったり、腎機能に障害のある患者さんは尿酸排泄促進薬により、これらの合併症を悪化させる危険性があるため尿酸生成抑制薬を服用し、尿中尿酸排泄量を抑制しなければなりません。
 尿酸の腎臓への沈着や、尿路結石の発症を予防するためには、尿量を増加させることが必要です。そのため飲水量を増やし、1日尿量を通常の約2倍の2000ml以上に保つようにしなければなりません。
 また、痛風の患者さんの尿は酸性度が強いため、尿をアルカリ化する食品である野菜や海藻などを多くとるようにします。食事療法によっても酸性尿の是正が不十分な場合は、重曹やクエン酸製剤などの尿アルカリ化薬を服用する必要があります。尿pHを6・0〜7・0に保つように調節しなければなりません(表24)。
 痛風や高尿酸血症には、前述したように肥満、高血圧脂質異常症、耐糖能(たいとうのう)障害(糖尿病)が高い確率で合併するといわれています。痛風の患者さんの食事では、原則として食べてはいけない食品はありませんが、過食は禁物で、肥満にならないような食事をする必要があります。
 また、脳血管障害、心臓病などの合併症を防ぐために、塩分や脂肪分を制限することも必要になります。