伝染性単核球症とはどんな病気か

 主にEBウイルスの感染で起こり、15〜30歳くらいの青年期に多くみられる良性の疾患です。

原因は何か

 日本人の95%前後は3歳までに知らないうちにEBウイルスに感染(不顕性(ふけんせい)感染)しますが、一部の人は青年期になって初めてEBウイルスに感染します。
 感染すると2〜4週後に、後述するいろいろな症状を示してきます。EBウイルスはBリンパ球に感染しますが、感染Bリンパ球を排除するためにTリンパ球が増加します。サイトメガロウイルス、トキソプラズマ、またHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した場合でも、同様の症状がみられることがあります。
 この病気は、既感染者の唾液を介した経口感染で広がることが知られています。

症状の現れ方

 頭痛、全身倦怠感(けんたいかん)、食欲不振などが数日続いたのち、38℃前後の発熱、扁桃(へんとう)の痛みを伴った腫脹(しゅちょう)、頸部(けいぶ)や腋窩(えきか)リンパ節腫脹がみられるようになります。時に発疹、出血傾向を認めることもあります。発疹は、抗生物質(とくにペニシリン系)を投与されたあとに現れることがしばしばあります。

検査と診断

 血液検査では白血球、とくに単核球(リンパ球)の増加がみられ、正常のリンパ球と異なった形のリンパ球(異型(いけい)リンパ球)がみられます。症状や血液所見などより多くの場合で診断は容易ですが、時に異型リンパ球の形態が白血病細胞に似ていることがあり、この場合にはフローサイトメトリー検査などが鑑別に役立ちます。
 この病気に特異的にみられるポール・バンネル反応は日本人では陽性にならないことも多く、この場合はEBウイルスの抗体価が参考になります。また、しばしば肝機能障害を認めます。

治療の方法

 経過は良好で、1〜2週間で解熱し、リンパ節のはれも数週〜数カ月で消えます。血小板減少や肝機能障害の程度が強い時には、副腎皮質ホルモンを使用することがあります。前述の理由(発疹)により、ペニシリン系抗生物質の投与は避けます。

伝染性単核球症に気づいたらどうする

 病気が治ったと思っても、数週間たってから肝機能障害などが悪化することがあるので、リンパ節の腫脹がなくなっても数週間は経過に注意し、医師の指示を受けることが大切です。