先天性魚鱗癬様紅皮症とはどんな病気か



 出生時から全身の潮紅(ちょうこう)(赤らみ)が著しく、水疱(すいほう)が頻発する病気です(図22)。

原因は何か

 常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)の遺伝性疾患で、ケラチン1(K1)あるいはケラチン10(K10)という蛋白を作成する遺伝子の変異により生じます。約20万人に1人の頻度で発症します。

症状の現れ方

 通常は生まれた時に発症し、新生児期には全身に熱傷(ねっしょう)(やけど)のような表皮剥離(はくり)と水疱形成を示します。
 加齢とともに皮膚病変の角質増殖が著しくなり、全身のびまん性潮紅、角質増殖、鱗屑(りんせつ)(皮膚表面からはがれ落ちる角質)、水疱、びらんなど、この病気に特徴的な症状を示すようになります。やがて水疱の形成はまれとなり、ほぼ全身の角質肥厚が主症状となります。
 病勢はおおむね屈側に著しく、しばしば疣贅状(ゆうぜいじょう)(いぼのような)あるいは豪猪皮状(ごうちょひじょう)と呼ばれる高度の角質増殖がみられます。豪猪とはヤマアラシのことで、さざ波状、あるいは敷石状(しきいしじょう)とも形容されます。
 掌蹠(しょうせき)(手のひらと足の裏)の過角化(かかくか)を伴う家系では主としてK1遺伝子の変異が、掌蹠の過角化を伴わない家系ではK10遺伝子の変異が見つかります。

検査と診断

 確定診断は、病理組織学的に顆粒(かりゅう)変性(粗大なケラトヒアリン顆粒が現れること)を証明することです。新生児期には、先天性表皮水疱症、ジーメンス型水疱性魚鱗癬(ぎょりんせん)などとの区別が問題になります。
 現在では、胎児皮膚生検やDNA診断による出生前診断も可能になってきています。

治療の方法

(1)新生児期では、体温調節、水分電解質バランス、二次感染に注意します。 (2)重症例ではレチノイド(チガソン)を投与しますが、小児では骨端(こつたん)の早期閉鎖を起こすので注意が必要です。 (3)5%サリチル酸ワセリンを1日2〜3回患部に塗り、鱗屑の除去に努めます。 (4)ビタミンD軟膏を1日2〜3回、患部に塗ります。

先天性魚鱗癬様紅皮症に気づいたらどうする

 皮膚科専門医を受診して正しい診断をつけてもらい、適切な治療を受けるようにします。

関連項目

 先天性表皮水疱症