尋常性乾癬<皮膚の病気>の症状の現れ方

 一つ一つの発疹は、にきびのような赤いぶつぶつで始まり、だんだんまわりに拡大するとともに厚い垢をもつようになり(図25)、ある時を境に(その時の大きさは一定していません)よくなって消失するということを繰り返します。
 乾癬はケブネル現象といって、こすったり傷ついたりしたところに数日してから新しい発疹が出てくることがあります。したがって、体のなかでよくこすれる部位である肘(ひじ)や膝(ひざ)、尻、頭などから発疹が出てきたり、あるいは発疹がひどい傾向にあります。このように、よくなったり悪くなったりを年余にわたり繰り返す経過の長い病気です。
 爪が白く厚ぼったくなり、爪水虫(つめみずむし)と間違われる場合もあります。何かのきっかけで急に悪化する場合には、膿疱性(のうほうせい)乾癬関節症性(かんせつしょうせい)乾癬といった重症型になることがあります。

尋常性乾癬<皮膚の病気>の診断と治療の方法

 外用薬、内服薬、光線療法などさまざまな治療法があります(表2)。症状が軽い場合には主に外用薬によって、症状が重くなると内服薬や光線療法で治療します(図26)。
 外用薬には、ステロイド薬が多く用いられています。そのほか、活性型ビタミンD3外用薬もステロイド薬ほどの速効性はありませんが、副作用が軽微なので併せて使用します。古くから用いられてきた外用薬にタールやアンスラリンなどがありますが、現在は一部の病院でしか使用されていません。
 内服薬としては、ビタミンA類似物質であるエトレチナート(チガソン)や免疫抑制薬であるシクロスポリン(ネオーラル)が用いられ、一定の効果が得られています。
 光線療法は、紫外線の増感剤であるメトキサレン(オクソラレン)を発疹部に塗り、紫外線をあてる治療で、PUVA療法といいます。乾癬が全身にある場合、入院して内服のメトキサレンを使用してPUVA療法を行う場合もあります。近年、PUVA療法に代わる光線療法として、乾癬に効果が高いということが検討された特定の紫外線波長を利用したナローバンドUVB療法が利用されるようになってきています。このナローバンドUVBを特定の部位に照射するレーザーも開発され使用されています。
 近年、生物学的製剤も使われ始めています。生物学的製剤とは最新のバイオテクノロジー技術を駆使して開発された新しい薬で、生物が産生した蛋白質を利用してつくられています。体のなかで炎症を起こす物質を直接それに対応する抗体によって除去できる治療法で、関節リウマチに絶大な効果を示しています。とくに関節症性乾癬など、関節リウマチと病態が似ている病気にはよく効きます。
 いずれの治療も一長一短があるため、うまく組み合わせて症状をコントロールすることが大切です。