伝染性膿痂疹(とびひ)<皮膚の病気>の症状の現れ方

 水疱性膿痂疹(図46)は、虫刺され、湿疹などの引っかき傷、あるいは小さいけがなどのところに膜の薄い水疱ができます。水疱内の液は次第にうみのように濁って、簡単に破れてただれた皮膚(びらん)となり、すぐに痂皮ができて手でかいているうちに周辺だけでなく他の部分にも広がり、“飛び火”してゆきます。軽いかゆみがありますが、熱は出ません。
 痂皮性膿痂疹(図47)は、季節や年齢に関係なく発症します。小さい水疱あるいは膿疱で始まり、すぐに黄色っぽい痂皮となって、これらが次々と急速に広がります。膿疱や痂皮の周囲では最初から赤みが強く、全身の熱が出てのども痛く、病変の近くのリンパ節もしばしばはれます。
 いずれの膿痂疹も、顔や四肢など露出部にできることが多く、口のなかなど粘膜にはできません。手・足では角質層が厚いので、膿痂疹の水疱膜がしっかりして張り切った大きな水疱・膿疱となります。これを手(しゅ)(足(そく))部水疱性膿皮症(ぶすいほうせいのうひしょう)と呼びます(図48)。

伝染性膿痂疹(とびひ)<皮膚の病気>の診断と治療の方法

 水疱性膿痂疹では、黄色ブドウ球菌によく効く抗菌薬を3〜4日間内服します。痂皮性膿痂疹では、ペニシリン系薬の内服が最も効果的ですが、黄色ブドウ球菌との混合感染も考えて内服薬を選びます。
 水疱内の液やびらん部の分泌液がまわりの皮膚に付かないよう、水疱は内容液を抜いてから、痂皮やびらん部には、抗生剤の軟膏(かゆみがあれば軽めの副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬の軟膏でもよい)を塗り、その上にリント布に厚く伸ばした亜鉛華(あえんか)軟膏を貼って包帯をします。乾いてくれば抗生剤の軟膏(または副腎皮質ステロイド薬の軟膏)だけにして亜鉛化軟膏は中止しますが、痂皮が取れるまで治療を続けます。
 膿痂疹が治るまでは、風呂よりシャワー浴のほうがよく、痂皮や分泌物をよく洗い落とし、そのあとで軟膏療法を繰り返します。痂皮性膿痂疹の場合は、糸球体腎炎の合併を予防するために、よくなってもさらに約10日間は内服を続けます。