黒色真菌症とはどんな病気か

 フォンセカイア・ペドロゾイ、エクソフィアラ・ジャンセルマイなど肉眼的に黒色に見える病原性黒色真菌による皮膚の感染症で、結節を示すクロモミコーシスと皮下腫瘤(しゅりゅう)を示すフェオヒフォミコーシスの病型があります。

原因は何か

 原因菌の黒色真菌は、自然(屋外)環境中に存在します。クロモミコーシスは免疫能低下などのない健康な人にも多く、外傷の既往がはっきりしないことも少なくありません。しかしフェオヒフォミコーシスは免疫能が低下している易感染性宿主(いかんせんせいしゅくしゅ)に多く発症する傾向があり、外傷部位に多くみられます。

症状の現れ方

 クロモミコーシスは慢性の結節(しこり)を示します。皮面より盛り上がり、皮膚が硬くなる角化(かくか)傾向があり、周囲の炎症は軽度で皮膚の腫瘍のように見えます。フェオヒフォミコーシスは軽度隆起性ですが、皮表には変化が認められない皮下の腫瘤で、波動を触れることが多い病気です。

検査と診断

 真菌検査や病理検査で診断します。真菌検査には直接鏡検と培養検査があります。直接鏡検は、白癬(はくせん)の場合と同じように病変の一部を採取して顕微鏡で調べます。クロモミコーシスでは褐色調の大型の球形で壁が厚く、しばしば分割を示す菌要素が認められれば診断が確定できます。培養検査も白癬の場合と同様で、黒色調の集落が生えます。
 病理検査は、一部の組織を培養検査に回すこともでき、最も確実な診断方法です。慢性肉芽腫(まんせいにくげしゅ)像や皮下膿瘍(のうよう)を示しますが、菌要素を検出すれば確定します。クロモミコーシスでは前述の菌形態ですが、フェオヒフォミコーシスでは褐色調の菌糸形菌要素が認められます。

治療の方法

 手術療法、抗真菌薬の全身療法、温熱療法、凍結療法などを行います。全身療法ではイトラコナゾール(イトリゾール)、テルビナフィン(ラミシール)、アムフォテリシンB(ファンギソン)、フルシトシン(アンコチル)などが用いられます。皮膚真菌症のなかで最も難治性で、複数の治療を組み合わせて行うことも多いです。

黒色真菌症に気づいたらどうする

 ごくまれに内臓に転移する菌もあります。皮膚科専門施設で適切な検査と治療を受ける必要があります。