ハチ刺されとはどんな病気か

 ハチ類の毒針に刺されることで生じる皮膚炎で、通常は痛みやはれなどを生じるだけですが、時には全身の症状を来し、生命に関わることがあります。

原因は何か

 スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどが原因になります。刺された際に皮膚に注入されるハチ毒による刺激や、毒成分に対するアレルギー反応によって症状が出ます。

症状の現れ方

 ハチ刺されの頻度や体質によって症状にはかなりの個人差があります。通常、刺された瞬間に疼痛を感じ、発赤を生じますが、初めてのハチ刺されの場合は1〜2時間でおさまります。その後、局所が赤くはれてかゆみや痛みを伴う場合があります。
 また、体質によっては刺された直後から全身のかゆみや息苦しさ、腹痛、気分不良などの全身症状を生じることがあり、ひどい場合は血圧が低下してショック状態になり、死に至る例もあります。

検査と診断

 ハチに刺された状況がはっきりしている場合は容易に診断できます。ハチ毒に対するアレルギー体質をもっているかどうかを血液検査(IgE-RAST)で推定することができます。

治療の方法

 刺された部位の発赤やかゆみには副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイドの外用薬を塗ります。症状が強い場合は抗ヒスタミン薬やステロイド薬の内服、注射などを行います。ショック状態になると輸液や酸素吸入をしながらアドレナリンを注射します。
 なお、アンモニア水の使用はハチ刺されに効果がないだけでなく、かえって皮膚炎を引き起こすこともあるのでやめてください。

ハチ刺されに気づいたらどうする

 ハチに刺された場合、まず安静にして刺された部位を冷やして様子をみます。発赤、はれ、痛みやかゆみが強い場合は医師の診察を受けてください。以前、ハチに刺されて激しい症状が出た人や、刺されて1時間以内に全身のかゆみ、気分不良、息苦しさなどの症状が出た場合は生命の危険がありますので直ちに救急車を呼んでください。
 ハチに刺されてショック症状を来す可能性が高い人は、専門医を受診してあらかじめアドレナリン自己注射薬(エピペン)を処方してもらい、常に携帯しておく必要があります。
 また、ハチに刺されないようにするために、屋外作業や野外レジャーなどの際にはハチの巣には注意を払い、むやみに巣に近づかないように心がけましょう。秋にはハチの攻撃性が高まるのでとくに注意が必要です。