時計皿爪(ヒポクラテス爪)とはどんな病気か



 爪甲(そうこう)が指の先端を丸く包み込むように曲がった状態を時計皿爪といい、爪自体も大きくなります。紀元前にヒポクラテスが最初に記載したことからヒポクラテス爪ということもあります。また、時計皿爪に指先のはれを伴ってくるとばち状指と呼んでいます。なお、本項では爪の解剖用語を用いるので、図104を参考にしてください。

原因は何か

 後天性に生じた時計皿爪の患者さんでは、何らかの全身疾患をもっていると考えられます。そのなかでは肺疾患(肺がん気管支拡張症、肺線維症(はいせんいしょう)、肺気腫(はいきしゅ)、肺膿瘍(はいのうよう)、肺結核(はいけっかく)など)が最も多く、全体の約80%を占めるとされます。
 また、それ以外にも、心疾患(先天性心疾患やうっ血性心不全など)、肝疾患(肝硬変(かんこうへん)や肝炎など)、消化器疾患(クローン病潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)など)、あるいは、内分泌・代謝疾患(甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)や神経性食思不振症(しょくしふしんしょう)など)があげられます。

症状の現れ方

 時計皿爪は徐々に起こってきますが、肺疾患、とくに肺がんでは手先、足先の皮膚の肥厚を伴うためばち状指になります。また、それに骨の肥厚などの症状が現れてくると肥厚性骨関節症(ひこうせいこつかんせつしょう)という状態になります。
 もちろん、肥厚性骨関節症と同じ皮膚と骨の症状が、肺疾患などに関係なくみられることもあります。

検査と診断



 正確には、側面からみた爪甲と指背(しはい)の皮膚との角度が180度以上のものを時計皿爪(あるいはばち状指)と呼びます(図104。正常は160度程度)。

治療の方法

 原因となっている疾患を見つけ、その治療を優先します。