流行性髄膜炎(急性脳脊髄膜炎)、その他の化膿性髄膜炎<感染症>の症状の現れ方

 年長児、成人では発熱、嘔吐、頭痛に加えて、意識障害、けいれん、運動失調を伴うことがあります。診察所見では、項部(こうぶ)(うなじ)硬直(こうちょく)やケルニッヒ徴候(股、膝(ひざ)を直角に曲げた状態から膝を伸ばそうとしてもまっすぐに伸ばせない症状)といった髄膜刺激症状が認められます。
 新生児期では低体温、無呼吸、易(い)刺激性、不機嫌といった非定型的な症状だけの場合もあります。乳児では大泉門(だいせんもん)が膨隆(ぼうりゅう)します。急速に病状が進行し、心肺停止、ショック状態で病院に搬送されることもある重症疾患です。
 そのほか、硬膜下水腫(こうまくかすいしゅ)、硬膜下膿瘍(のうよう)、脳膿瘍脳梗塞(のうこうそく)を合併することもあり、水頭症(すいとうしょう)、てんかん、精神運動発達遅滞(ちたい)、難聴を残すことがあります。

流行性髄膜炎(急性脳脊髄膜炎)、その他の化膿性髄膜炎<感染症>の診断と治療の方法

 適切な抗菌薬を一刻も早く、十分量点滴で投与します。培養の結果が出るまでは、年齢、発生状況などから原因菌を推定し、薬剤耐性菌(たいせいきん)の可能性も考慮して、抗菌薬はセフォタキシム、セフトリアキソン、パニペネムベタミプロン合剤などでの治療を考慮します。リステリア菌の場合はアンピシリンの投与が必要です。
 予後は一般に悪く、肺炎球菌では15・3%、Hibで3・8%、髄膜炎菌性髄膜炎で7・5%が死亡するといわれています。発症年齢、抗菌薬投与までの時間、細菌の種類、病気の進行速度によって予後は変わりますが、後遺症を約30%に残します。
 肺炎球菌については、小児に予防ワクチンが接種されている国もありますが、日本で接種可能な肺炎球菌ワクチンは23価多糖体(かたとうたい)肺炎球菌ワクチンのみで、2歳以上が適応です。米国などでは7価結合型ワクチンが生後2カ月から接種されています。
 なお、日本で7価結合型の肺炎球菌ワクチンの臨床治験は終了しているので、承認されれば国内でも接種可能となります。
 Hibワクチン(ヒブワクチン)は、2008年12月19日以降、国内でも接種可能となりました。