インフルエンザ<感染症>の症状の現れ方

 いずれの型のインフルエンザも1〜3日の潜伏期をへて、悪寒を伴う高熱、全身倦怠感(けんたいかん)を伴って急激に発症します。鼻汁、咳(せき)、咽頭痛などの呼吸器症状や、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状を伴うことが多く、頭痛、関節痛も現れます。筋炎を起こすと筋肉痛が生じ、下肢の場合は歩行困難になることがあります。
 症状の程度・持続期間は、流行ウイルスの種類、年齢、過去の罹患状況などによってさまざまですが、合併症がない場合、1週間〜10日以内に軽快します。発症した場合の重症度は、ウイルス側の要因(前回の流行からの期間やウイルスの変異の度合い)と、個体側の要因(感染歴や免疫状態)などによって決まります。
 乳幼児は初感染であることが多く、成人に比べて重症化しやすく、また高熱による熱性けいれんを起こすことがあります。細菌性の肺炎中耳炎の合併があると高熱が続きます。

インフルエンザ<感染症>の診断と治療の方法

 対症療法が主体になります。高熱に対しては冷却とともに、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱薬を使います。呼吸器症状に対しては鎮咳去痰薬(ちんがいきょたんやく)、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬などを、消化器症状に対しては整腸薬や止痢薬を用います。細菌性の肺炎などを合併している場合は、抗生剤を使用します。水分の補給に努め、脱水にならないように注意します。
 特異的な治療法として、抗ウイルス薬があります。A型に対してはアマンタジン(シンメトレル)がありましたが、近年、耐性ウイルスが出現したため使用されなくなりました。A・B型両方に効果があるものとして、ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル、リレンザ)が用いられていますが、近年タミフル耐性のAソ連型ウイルスが出現し、世界中に広まりました。一方、前述の豚由来新型インフルエンザウイルスA型に対してはタミフル、リレンザとも効果があります。いずれも発症2日以内の使用開始が効果的です。