コレラ<感染症>の症状の現れ方

 典型的な場合には、2〜3日の潜伏期間ののち、下痢と嘔吐で突然発病します。米のとぎ汁のような大量の下痢便が何回も出て、急激に体液を失い、脱水症状が現れます。腹痛はなく、体温はむしろ低下します。眼球が陥没し、声がかすれ、皮膚がしわしわになり、さらに進行すると意識障害やけいれんなどがみられ、死に至る場合があります。
 腹痛や発熱がないため、医療機関への受診が遅れる傾向があります。最近ではほとんどが軽症例ですが、高齢者、胃の手術後、胃潰瘍薬の服用などで胃酸が十分でない場合には、症状が重くなる傾向があります。

コレラ<感染症>の診断と治療の方法

 治療は輸液により全身状態を改善することと、抗菌薬により除菌を行い、下痢の期間を短縮させ、感染拡大を防止することです。
 とくに大切なのは輸液で、嘔吐や下痢がひどい場合には乳酸リンゲル液を静脈内に点滴で注入します。脱水が強い場合には1日に10l以上の輸液が必要になることがあります。下痢がひどくなければ経口輸液として、スポーツ飲料を1日2〜4l飲用します。スポーツ飲料には薄い糖分と塩分が入っているので、腸から水分が吸収され、脱水に効果があります。
 抗菌薬は、下痢期間短縮、早期排菌停止に効果があります。ニューキノロン系薬、テトラサイクリンまたはミノサイクリンを短期間使います。子どもでこれらの薬が使えない場合には、WHOはエリスロマイシンを推奨しています。