クラミジア感染症とはどんな感染症か

 クラミジア・トラコマチスという細菌による感染症で、性感染症のなかで最も流行しているもののひとつです。近年ではとくに若い女性のかかる率が増加しており、性行為の若年化、多様化とともにその広がりが問題となっています。
 男性では尿道炎(にょうどうえん)、精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)などを、女性では子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)、卵管炎(らんかんえん)、卵管周囲炎(らんかんしゅういえん)などを発症します。

症状の現れ方

 男性の尿道炎では1〜2週の潜伏期のあとに軽い排尿痛や漿液(しょうえき)性(さらさらした)の尿道分泌物が現れます。精巣上体炎は精巣上体の腫脹(しゅちょう)(はれ)、疼痛、発熱が現れます。
 女性のクラミジア感染症の症状は非特異的で、漿液性の帯下(たいげ)(おりもの)、不正性器出血、下腹部痛、膀胱炎(ぼうこうえん)のような症状などがあります。しかし、性別に関わらず無症候性感染といって症状がほとんど現れない患者さんも半数以上いるので、注意する必要があります。
 女性の場合は子宮頸管炎から上行性に感染を起こし、卵管炎、卵管周囲炎、骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)などによる不妊症(ふにんしょう)につながることもあります。男女とも健常成人のクラミジア保有率は3〜5%といわれています。

検査と診断

 クラミジア感染症の診断では、遺伝子診断法としてのPCR法、TMA法、SDA法などが標準的な検査法です。男性の尿道炎の場合は初尿による検出が優れています。女性の子宮頸管炎の場合は、子宮頸管の分泌物か子宮頸管擦過(さっか)による検査が広く用いられています。
 これらは非常に鋭敏で有用な検査法ですが、PCR法では血液や精液などが混入すると偽陰性(ぎいんせい)となることがあります。

治療の方法

 現在、抗菌薬が効かないクラミジアはほとんど報告されていないので、抗菌薬の適切な服用で治ります。クラミジアは独特の増殖様式をもっているので、抗菌薬は通常7日間の継続的な服用が必要です。症状が軽くなっても服用を中止すると無症候感染が持続することがあります。2004年からアジスロマイシン(ジスロマック)という抗菌薬が使用できるようになり、1回の服用で治療ができるようになりました。
 また、淋菌(りんきん)感染症などとの混合感染も多く、混合感染のある場合はそれぞれの感染症に適切な抗菌薬を投与する必要があります。

クラミジア感染症に気づいたらどうする

 症状からクラミジア感染症が疑われる場合は泌尿器科・婦人科を受診してください。簡単な検査で診断できます。
 クラミジア感染症と診断された場合はパートナーの治療も併せて行う必要があります。パートナーに症状がなくても無症候性感染の可能性がありますし、オーラルセックスのみでも感染するので、可能性があるパートナーの十分な検査・治療が必要です。
 クラミジア感染症は2002年をピークにやや減少傾向ですが、いぜんとして毎年多くの患者さんの発生を認めます。その予防には正確な知識をもつこととコンドームの使用が重要です。