梅毒とはどんな感染症か

 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による慢性の全身性感染症で、症状のある顕性(けんせい)梅毒と症状のない潜伏(せんぷく)梅毒に分けられます。感染力のある初めの2年を早期梅毒(1期梅毒、2期梅毒)、それ以降の感染力がなくなる時期を晩期梅毒と呼びます。近年は入院や手術などの時の血液検査で偶然発見される潜伏梅毒がほとんどです。

症状の現れ方


(1)1期梅毒

 感染後3週ころに初期硬結(こうけつ)(しこり)が生じ、そののち軟性下疳(なんせいげかん)と呼ばれる潰瘍を形成します。男性では亀頭(きとう)、包皮内板(ほうひないばん)、女性では小陰唇(しょういんしん)、陰唇後連(いんしんこうれん)、子宮頸部(けいぶ)に多く発生します。リンパ節の腫脹(しゅちょう)(はれ)を起こすこともありますが、これらの病変は数週間で自然になくなります。
(2)2期梅毒
 感染後3カ月ころから、全身に梅毒性バラ疹、丘疹(きゅうしん)などが発生します。これらの症状は数週から数カ月でなくなります。

検査と診断

 症状のある顕性梅毒は症状が現れている部位からトレポネーマを検出することで診断が確定します。しかし、実際には潜伏梅毒がほとんどなので、梅毒血清反応検査が不可欠となります。
 梅毒血清反応検査はリン脂質を抗原とするSTSと、菌体そのものあるいは菌体成分を抗原とするトレポネーマ抗原系のFTA‐ABS(蛍光(けいこう)トレポネーマ抗体吸着)法、TPHA(間接赤血球凝集反応)法などがあります。これらの検査を組み合わせて定性検査を行い、陽性の場合は定量検査を行います。


 定性検査の結果の解釈を表5に示します。治癒後も抗体は陽性となるので、抗体陽性者を治っていないと誤って解釈しないことが重要です。

治療の方法

 梅毒ではペニシリン薬がよく効きます。治療期間は早期梅毒で4週間、晩期梅毒で8週間程度です。この場合、治療の目的はトレポネーマを死滅させることで、重要なのは梅毒血清反応を陰性にすることではないということです。

梅毒に気づいたらどうする

 早期梅毒の症状がある場合は、早急に医療機関を受診して検査を受ける必要があります。また、セクシャルパートナーが早期梅毒患者であった場合は、感染初期は血清反応が陰性なので、3〜4週間後に再検査する必要があります。