ペストとはどんな感染症か

 ペスト菌による全身性の急性感染症で、中世には黒死病(こくしびょう)として恐れられていました。日本では1926年以来発生していませんが、世界的には、アフリカ、アジア、米国などで、この15年間に約2万人の患者さんが報告され、その約1割が死亡しています。ネズミなどの齧歯類(げっしるい)の間で感染が続いており、ノミを介してヒトに感染します。

症状の現れ方

 ペスト菌を保菌しているノミに刺されたあと、2〜6日の潜伏期間ののち、リンパ節のはれ、皮膚の小出血斑や高熱を起こします。菌が全身に回ると敗血症(はいけつしょう)を起こしショックなど重い症状になります。また、菌が肺に回ると肺ペストを起こし、喀痰(かくたん)から別のヒトに伝染することもあります。

検査と診断

 血液、リンパ節液からペスト菌を分離・培養して、診断します。

治療の方法

 ストレプトマイシン、テトラサイクリン、ニューキノロン系薬剤などの抗菌薬により治療を行います。一般的には抗菌薬がよく効き、回復します。肺ペストのように重い症状の場合も、発病後8〜24時間以内に治療を開始すれば予後は良好です。手遅れにならないように病気の早期に治療を開始することが重要です。

ペストに気づいたらどうする

 海外に渡航し、死んでいるネズミなどに触れたり、ノミに刺されたあとに、リンパ節のはれや高熱が出た場合には、ペストを疑い、医師の診察を受け適切な治療をしてもらう必要があります。