ライム病<感染症>の症状の現れ方

 海外、とくに米国やヨーロッパでは、ライム病は慢性の全身性の疾患として知られています。これら渡航先で感染した場合、病状の進行に伴い、遊走性紅斑(ゆうそうせいこうはん)や萎縮性肢端(いしゅくせいしたん)皮膚炎などの皮膚症状、髄膜炎(ずいまくえん)や神経根炎(しんけいこんえん)などといった神経症状、関節炎などがみられる可能性があります。

(1)感染初期
 一般的にマダニの刺咬部(しこうぶ)を中心とする遠心性の紅斑(遊走性紅斑)が数日から数週間後に現れることがあります。これと同時に筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒(おかん)など、かぜのような症状がみられることもあります。

(2)播種期(はしゅき)
 全身に病原体が運ばれることによって症状が現れる期間で、前述の遊走性紅斑に加え、神経症状、心疾患、眼症状、軽度の関節炎がみられることがあります。

(3)晩期
 感染成立から数カ月〜数年後、播種期の症状に加え、重い慢性関節炎、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性脳脊髄炎がみられるようになります。国内感染例の場合、遊走性紅斑、顔面神経麻痺、神経根炎、軽度関節炎などの報告はありますが、一般的には重症化しない傾向にあるようです。

ライム病<感染症>の診断と治療の方法

 病原体ボレリアは細菌の一種なので、抗生剤による治療が有効です。使用する抗生剤は神経症状の有無により異なります。マダニの刺咬後の遊走性紅斑にはドキシサイクリン(ビブラマイシン)、髄膜炎などの神経症状にはセフトリアキソン(ロセフィン)が第一選択薬として用いられています。服薬期間は2〜4週間程度です。薬剤耐性(たいせい)(薬が効かなくなる)は今のところ報告されていません。マダニの刺咬によるエーリキアの共感染が疑われる場合にも、ドキシサイクリンが有効とされています。