肝吸虫症(肝ジストマ症)とはどんな感染症か

 肝吸虫という寄生虫が肝臓の胆管に寄生する病気で、全国各地で報告されています。肝吸虫の幼虫は、淡水にすむ魚のうろこや筋肉に寄生していて、幼虫をもつ淡水魚を生で食べると感染します。
 幼虫は直径約0・1mmの球形で、肉眼では見えません。成虫は体長が1〜2cmで、笹の葉のような形をしています。

症状の現れ方

 肝吸虫の幼虫を飲み込むと、約1カ月で成虫になります。成虫は胆管に寄生し、産卵します。そのため、肝臓から胆汁が流れにくくなり、肝臓で炎症が起こります。
 主な症状としては、だるさを感じたり、下痢を起こしたりします。胆管のなかで多数の虫卵が固まって胆石ができることもあります。成虫は20年以上生きるので、治療しないと慢性化します。肝吸虫症が進行すると、腹水や黄疸(おうだん)の症状が出て、いわゆる肝硬変(かんこうへん)に移行します。

検査と診断

 便のなかから虫卵を検出します。また、血清検査も有効です。一般に、肝臓の超音波検査などで胆管に異常が見つかり、肝吸虫症とわかることが多いようです。

治療の方法

 特効薬は、抗寄生虫薬のプラジカンテル(ビルトリシド)です。肝硬変にまで進行した場合には、肝硬変に対する治療を行いますが、予後は不良です。

肝吸虫症(肝ジストマ症)に気づいたらどうする

 肝吸虫症に特有の症状はないので、感染しても気づかない場合がほとんどです。そのため予防が大切です。
 肝吸虫は、とくにコイ科のモツゴに高率に寄生しています。また、フナやコイ、タナゴ、ワカサギにも寄生します。これらの淡水魚を生で食べないことが大切です。