トキソプラズマ症<感染症>の症状の現れ方

 先天性感染は流産・早産といった転帰をとることが多いと考えられています。妊婦の感染で胎児に影響が及ぶのは、感作(かんさ)されていない母親が妊娠初期に初めて感染した場合に限られています。患児は網脈絡膜炎(もうみゃくらくまくえん)、脳水腫(のうすいしゅ)、脳内石灰化、精神・運動機能の発達遅延などの症状を示します。
 健常者が後天的に感染した場合、ほとんどが無症状のまま経過することが多いのですが、免疫力が低下している人の場合は、髄膜脳炎(ずいまくのうえん)、心筋炎(しんきんえん)、肺炎、リンパ節炎、網脈絡膜炎を起こすことがあります。とくにエイズなどの免疫不全状態では致死性の脳炎に進むことがあります。

トキソプラズマ症<感染症>の診断と治療の方法

 トキソプラズマ症を完全に治療できる薬は見つかっていません。患者の脳や骨格筋・心筋などにいて休眠しているシスト(嚢子)と呼ばれる原虫を殺す薬はないからです。活発に分裂・増殖するトキソプラズマ原虫にはピリメタミン、サルファ剤、アセチルスピラマイシンなどが有効とされ、トキソプラズマ症の治療に用いられています。