ジアルジア症とはどんな感染症か

 ランブル鞭毛虫(べんもうちゅう)という寄生虫の嚢子(のうし)に汚染された飲食物を飲み込むことによって感染する小腸の病気です。発展途上国を中心に世界で約2億人の感染者、150万人の患者がいると推定されています。
 先進国でも時に突発的な流行がみられますが、日本では感染流行国・地域への旅行者が感染して帰国後に発症する輸入症例が多いようです。それ以外ではアメーバ赤痢と同様に男性同性愛者、知的障害者での感染がよくみられます。
 1年の届け出件数は100人程度であり、約半数以上が海外で感染したと推定されています。インド、タイなどの感染地域への渡航で感染する人が多くみられます。国内では小児での発生は皆無で、食中毒として発生するケースはほとんどありません。

症状の現れ方

 感染しても無症状のまま経過したり、一過性の水様性下痢から自然に治ったりすることも多いようです。重症例では、慢性の水様性・非血性の下痢から消化吸収不良を起こしたり、胆管炎(たんかんえん)・胆嚢炎(たんのうえん)を起こすこともあります。
 一般に健康状態が良好な日本人では、小児や老人、基礎疾患のある人以外は重症化することはまれです。

検査と診断

 糞便を顕微鏡で観察し、ランブル鞭毛虫の栄養型(分裂増殖する細胞型)を見つければ診断が確定します。また市販のキットで糞便中のランブル鞭毛虫の抗原を簡便に検出する方法もあります。しかし、嚢子はとくに下痢症状を示さない人の正常便からも見つかることがあり、ランブル鞭毛虫が下痢の原因かどうかを判断するのが難しい場合があります。このような場合、間接蛍光(けいこう)抗体法を用いて血清中の抗体を検出し、原虫の病害性を調べることが可能です。

治療の方法

 治療には前述のアメーバ赤痢と同様に、メトロニダゾール、チニダゾールが用いられます。これらの薬では食欲不振、悪心(おしん)、嘔吐、下痢、全身倦怠感(けんたいかん)などの副作用のほか、変異原性(遺伝子に変異を起こす性質)、発がん性の可能性も指摘されているので、小児・妊婦などでは慎重に治療する必要があります。

ジアルジア症に気づいたらどうする

 感染流行地である海外への渡航歴があり、水様性下痢があるようなら専門医を受診するべきです。