シアン中毒<中毒と環境因子による病気>の症状の現れ方

 症状の発現は急激で、シアンが体内に入ってただちに、あるいは長くて数分以内に症状が現れます。軽症では、頭痛、めまい、嘔吐のほか、特徴的な症状として、顔面紅潮、呼吸促進、頻脈(ひんみゃく)、代謝性アシドーシスなどが生じます。シアンの量が多く重症の場合は、血圧低下、呼吸困難、心房細動(しんぼうさいどう)、肺水腫(はいすいしゅ)、けいれん、意識消失が生じ、やがて呼吸停止、心停止につながります。

シアン中毒<中毒と環境因子による病気>の診断と治療の方法

 軽症の場合は、酸素の投与と炭酸水素ナトリウム(メイロン)によるアシドーシスの補正を行います。重症の場合は、心肺蘇生(しんぱいそせい)、呼吸管理が必要です。
 特有な治療法としては、亜硝酸ナトリウムを投与して、シアンと結合しやすいヘモグロビンをつくり、これに結合したシアンを、チオ硫酸ナトリウムの投与によって尿中に排泄させる方法があり、この方法に即した治療キットが市販されています。
 重症の場合、後遺症として酸素欠乏による脳障害や、パーキンソン症候群が起こることがあります。