毒蛇咬傷とはどんな病気か

 日本での毒蛇咬傷は、主にマムシ、ハブ、ヤマカガシによるものです。これらのヘビにかまれると、そのヘビ毒によって、局所と全身にさまざまな症状が起こります。

原因は何か

 マムシ、ハブのヘビ毒には、出血作用、筋融解(ゆうかい)・壊死(えし)作用、血管拡張・透過性(とうかせい)亢進作用、溶血(ようけつ)作用があり、局所に出血やはれ、疼痛、全身に循環障害などを起こします。ヤマカガシのヘビ毒には、出血作用、血液凝固促進作用、溶血作用があり、局所に出血、全身に出血傾向やDIC(播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群)などを起こします。

症状の現れ方

 マムシ、ハブでは、かまれた直後から疼痛、腫脹(しゅちょう)(はれ)、出血が生じ、疼痛、腫脹が体の中枢のほう(心臓のほう)へと広がっていきます。これが大きいと重症といえ、循環血液量の減少などによる低血圧やショックが生じ、さらには腎不全や筋膜内の圧が高まることによる筋肉の壊死が起こります。
 ヤマカガシでは、かまれた直後は疼痛、腫脹、出血は軽いのですが、30分〜2時間後から持続的な出血がみられ、以後止まりません。疼痛は遅れて起こります。腫脹はあまり目立たないことが多いようです。重症例では全身に出血傾向がみられ、腎不全やDICが起こります。

検査と診断

 局所に、牙痕(がこん)(かまれたあと)、疼痛、腫脹、出血という特徴的な所見がみられます。とくにヘビ毒が体内に入った証拠を示す出血が重要です。全身症状については、血液検査により溶血(ようけつ)、筋破壊、腎機能、血液凝固能などを調べ、また尿検査により溶血、腎機能を調べます。

治療の方法

 毒蛇にかまれた直後は、手足の場合、かまれた部位より心臓に近い側を縛(しば)り、咬傷部をよく洗い、消毒します。そして、咬傷部を皮下組織、必要に応じて筋膜まで切開し、内部を洗浄して毒を吸引します。
 軽症の場合を除き、それぞれのヘビ毒に対する抗血清の投与を行います。また、抗生物質と破傷風(はしょうふう)トキソイドの予防的投与を行います。
 輸液は十分に行うとともに、対症療法を行います。腎不全、DICなどが生じた場合は、それらの治療を行います。

毒蛇咬傷に気づいたらどうする

 すぐに咬傷部より心臓に近い側を縛り、救急外来を受診するか、病院に連絡して指示を受けてください。

関連項目

 急性腎不全DIC、出血傾向