重金属中毒<中毒と環境因子による病気>の症状の現れ方

 金属を飲み込むと、その直後から、腹痛、嘔吐がみられ、下痢、吐血、下血などもみられます。多量の場合は、ショックが起こることもあります。
 一方、フュームを吸入した場合には、数時間の潜伏期のあと、39℃以上の発熱とインフルエンザ様の感冒(かんぼう)症状がみられます。多くの場合、半日程度で自然に軽快します。カドミウムやベリリウムのフュームを吸うと肺水腫(はいすいしゅ)が、水銀のフュームを吸うと間質性(かんしつせい)肺炎が起こることがあります。
 そのほか、急性中毒としては、無機水銀を飲み込んだり吸入したりすると、粘膜の腐食のほか、腎障害が起こります。また、有機鉛を吸入したり皮膚から吸収すると、興奮や不安、幻覚などの精神症状が生じます。慢性中毒では、全身のさまざまな臓器に、原因となる金属特有の障害が起こります(表14)。

重金属中毒<中毒と環境因子による病気>の診断と治療の方法

 急性中毒で、飲み込んだ場合は、まず吐かせ、胃の洗浄、下剤の投与などを行います。フュームを吸入した場合には、二次感染の予防のため、抗生剤を投与します。体内にたまった金属の排泄には、金属の種類によっては、ジメルカプロール(バル)、エデト酸、ぺニシラミンなどのキレート剤(金属をはさみ込んで体外に排出させやすくする薬)が有効です。そのほか、症状に応じた対症療法を行います。