低温障害(凍傷/凍瘡/全身性低体温症)<中毒と環境因子による病気>の症状の現れ方


(1)凍傷
 組織障害深度により、1度から4度に分類されます(表16)。1度および2度凍傷を表層性凍傷と呼び、3度および4度凍傷を深部凍傷と呼びます。表層性凍傷は、紅班や水疱(すいほう)を形成し、時にしびれを伴うことがあります。解凍後は、灼熱痛(しゃくねつつう)、充血、発赤、浮腫(むくみ)などがみられます。深部凍傷は、表皮、皮下組織、筋肉、骨にまで至る壊疽性(えそせい)変化で、組織の潰瘍、壊死(えし)がみられます。

(2)凍瘡
 耳介部(じかいぶ)、足の指先、鼻尖部(びぜんぶ)に発赤、腫脹(しゅちょう)(はれ)、水疱、びらん、潰瘍などがみられ、多くの場合かゆみを伴います。凍傷と異なり、組織の凍結は伴いません。

(3)全身性低体温症
 皮膚は冷たく蒼白となり、意識障害、血圧の低下、徐脈(じょみゃく)がみられます。また、呼吸は浅く緩徐になります。四肢では、まず硬直がみられますが、低体温が進行すると随意運動は消失します。意識の消失は、体温が26℃前後で認められます。体温が24℃以下では肺水腫が出現するため、呼吸状態はさらに悪化します。
 また、低体温では心電図上、いろいろな不整脈や伝導障害がみられます。体温が28℃以下になると致死的な不整脈である心室細動(しんしつさいどう)が出現する可能性があります。体温が21〜22℃まで低下すると、心室細動の出現は必発で、致命率が高くなり、20℃では心停止が起こります。

低温障害(凍傷/凍瘡/全身性低体温症)<中毒と環境因子による病気>の診断と治療の方法


(1)凍傷
 患部の末梢部まで十分に赤みがもどるように、40〜42℃の温水で急速に加温します。マッサージは、組織の損傷を生じるので行ってはいけません。1度および2度の凍傷では、感染予防と血行回復に主眼をおきます。3度以上の凍傷では、感染防止と血行回復のほかに、適切な外科的処置を必要とします。

(2)凍瘡
 保温とマッサージが治療の中心になります。血行を改善するための薬剤も使用されます。

(3)全身性低体温
 体を加温しながら、呼吸循環管理を中心とした全身管理が必要になります。凍傷を合併している場合には、凍傷の治療も必要になります。