過敏性肺炎とはどんな病気か

 本症の抗原はさまざまですが、とくにカビ、有機粉塵(ゆうきふんじん)、鳥の糞などを吸入することによって起こるアレルギー性の肺疾患のひとつで、主として肺の間質(かんしつ)に広く炎症がみられます。肺炎のような症状を起こしますが、感染症ではありません。男女を問わず、あらゆる年齢層にみられます。

原因は何か

 有機粉塵に含まれている微生物、とくに真菌類や鳥の糞、単純化合物のTDI(トルエン・ジイソシアネート)などを気道から繰り返し吸入することで発病します。原因物質が吸入されると、気道の奥深く肺胞まで到達します。肺の間質に炎症を起こすことから、外因性アレルギー性胞隔炎(ほうかくえん)とも呼ばれています。
 気候や職業、地域差などによって病態が違い、夏型過敏性肺炎(トリコスポロン・クタネウスが原因)は北海道には少なく、サトウキビ肺症は南日本に、干し草を原因とするものは北海道や東北地方に多いといえます。

症状の現れ方

 原因物質(抗原)の吸入量や時間などによって症状は違います。呼吸器症状と全身症状に分けられます。呼吸器症状では、咳(せき)、痰、呼吸困難、チアノーゼ、胸痛などです。
 急性型の多くは大量の抗原を吸入したのち、4〜8時間で症状を現します。悪寒(おかん)、発熱、倦怠感(けんたいかん)などの全身症状とともに、咳(乾性が多い)や呼吸困難などの呼吸器症状が出ます。重症ではチアノーゼ、血痰、胸痛のほかに、動悸(どうき)や胸がしめつけられるような感じなどもあります。
 症状は数時間〜十数時間続き、さらに断続的に現れますが、抗原を取り除くと数時間〜数日以内に治ります。急性の発作を繰り返すと、食欲不振や体重の減少が目立ってきて慢性型へ移行することもあります。
 亜急性(あきゅうせい)型は、比較的少量の抗原に長期間さらされる結果、症状が潜在的で慢性の咳、徐々に強まる呼吸困難などによって発病してきます。
 慢性型は、数カ月〜数年かけて病変が形成されるもので、抗原を少しずつ長期間吸入して起こります。軽い咳や運動時の息切れ、疲れやすさや体重減少などが徐々に進行してきます。肺の線維化も認められるようになります。軽症例では、微熱や無熱例も多くみられます。
 抗原吸入の多くは日中の労働や作業と関わりがあります。慢性型の経過をたどるのは、夏型過敏性肺炎、空調肺炎、インコ飼病に多く、農夫肺や鳩飼病では、急性・慢性の両方がみられます。

検査と診断

 アレルギーを起こす特定の環境から離れれば症状が治まるため、これが診断の手がかりになります。疑わしいものは抗原の吸入誘発テストで確かめます。胸部X線検査では、定型的な症例ではびまん性散布性粒状影を認めます。血液中の抗体の検出も重要です。また、診断としては病理所見をみることも重要で、肺生検などで診断されます。
 誘発試験として、抗原吸入試験、環境誘発試験があります。抗原が特定できない場合や、家あるいは職場に原因があると考えられる時には、入院後に症状や検査成績が改善したあと、発症環境へ帰るなどして、入院前と同様の症状が再現できるか確認することも重要です。

治療の方法

 根本的に治療するには、環境を変えるか抗原から離れるしかありません。対症療法としては、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)が有効です。重症例には酸素吸入、鎮咳薬(ちんがいやく)などが併用されますが、鎮咳薬はあまり効果が期待できません。