血友病A・Bとはどんな病気か

 血友病は、止血に必要な「凝固因子(ぎょうこいんし)」が不足するため、いったん出血すると血が止まりにくい疾患(先天性凝固異常症(せんてんせいぎょうこいじょうしょう))です。血友病Aは凝固第VIII因子、血友病Bは凝固第IX因子の異常によって発症します。先天性凝固異常症のなかでは最も頻度が高く、男性10万人に6〜7人の頻度で発症し、血友病Aと血友病Bの比率は5対1です。
 X染色体上に存在する凝固第VIII因子遺伝子、または凝固第IX遺伝子の異常によって発症するX連鎖劣性遺伝性疾患ですが、患者さんの約半数には明らかな家族歴がなく、母親が保因者ではない場合もあります。

症状の現れ方

 血友病の症状は出血症状です。新生児期には出血症状がみられることはまれですが、運動量が増えてくる乳児期後半から、皮下出血や口腔内出血、けがをしたあと血が止まりにくい、などの症状がみられるようになります。歩行ができるようになると、関節内出血(足関節、膝(ひざ)関節、肘(ひじ)関節など)、さらに年長になると血尿、筋肉内出血がみられるようになります。関節内出血や筋肉内出血を繰り返すと関節の変形や可動域制限などの関節障害が起こります。
 軽症の血友病の場合にはこのような症状がほとんど認められず、けが、抜歯、手術の時などに血が止まりにくいことで初めて診断される場合もあります。

検査と診断

 スクリーニング検査では、出血時間、凝固系、線溶系、血小板系、血管系の検査を行い、第VIII因子活性または第IX因子活性を測定することにより確定診断されます。

治療の方法

 第VIII因子製剤、または、第IX因子製剤を静脈内投与することにより補充します。在宅自己注射療法が導入されており、家庭内で自己注射を行うことができます。投与方法には、出血症状が出現した時に投与する方法(オンデマンド止血療法)と、出血を予防し、関節障害の進展を防ぐことを目的として定期的に補充する方法(定期補充療法)があります。最近は、小児例を中心として、オンデマンド止血療法から定期補充療法に変わりつつあります。
 頭蓋内出血などの重度の出血や大手術を行う場合は、第VIII因子製剤または第IX因子製剤を持続的に静脈内投与する持続輸注療法を行います。