フェニルケトン尿症(にょうしょう)

アミノ酸代謝異常症とはどんな病気か

 必須アミノ酸であるフェニルアラニンからチロシンへ転換するフェニルアラニン水酸化酵素の異常によって生じます。

症状の現れ方

 新生児期は無症状ですが、生後6カ月ごろから知能障害やけいれん、赤毛や色白などの色素欠乏が現れるようになります。

治療の方法

 出生後早期から、フェニルアラニンを制限した食事療法(フェニルアラニン除去ミルクや低蛋白食)で障害を予防することができます。この食事療法は、成人期も続けたほうがよいとされています。最近、一部の軽症患者では、食事療法以外にも補酵素(酵素のはたらきを助ける)であるビオプテリンの投与で血中フェニルアラニンが低下することが報告されています。
 女性の患者が妊娠した場合、母体の高フェニルアラニン血症に胎児が曝露されると、低出生体重、知能障害、小頭症(しょうとうしょう)、心奇形(しんきけい)が生じ、これを母性フェニルケトン尿症といいます。これらの症状は、母体のフェニルアラニン値を良好にコントロールすることで予防することができます。
 一部の高フェニルアラニン血症は、ビオプテリンの欠乏によっても生じることも知られています。尿や血液中のプテリジンの分析、ビオプテリンの負荷試験で鑑別診断がなされます。治療法もフェニルケトン尿症と異なります。

ホモシスチン尿症(にょうしょう)

アミノ酸代謝異常症とはどんな病気か

 ホモシステインからシスタチオニンを合成するシスタチオニン合成酵素の異常によって、ホモシステインホモシスチンが体内に蓄積し、知能障害、眼の水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)、全身の動静脈血栓症(どうじょうみゃくけっせんしょう)(とくに心筋梗塞(きんこうそく)脳梗塞(のうこうそく))、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、骨格異常(こっかくいじょう)(高身長、四肢指伸長)などを起こします。

治療の方法

 ビタミンB6の投与で軽快する場合もあります。ビタミンB6に反応しない型では、メチオニン除去ミルクと蛋白制限による食事療法とシスチンの補充を行います。ベタインの投与も有効とされています。

メープルシロップ尿症(にょうしょう)

アミノ酸代謝異常症とはどんな病気か

 ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類のアミノ酸を分解する酵素(α(アルファ)‐ケト酸脱水素酵素)の異常によって生じます。尿がメープルシロップとよく似たにおいをもつことから、この名前がつけられました。

症状の現れ方

 新生時期から哺乳不良、嘔吐、けいれん、多呼吸、昏睡(こんすい)、低血糖などの症状で発症する古典型のほかにも、症状の軽い間欠型、中間型やビタミン反応型などの病型があります。

治療の方法

 前記3種類のアミノ酸を制限したミルクと蛋白制限食による食事療法を行います。