慢性腎臓病(CKD)とはどんな病気か



 2002年に米国腎臓財団から発表された慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)の概念と病期分類によると、CKDとは、糸球体濾過量(しきゅうたいろかりょう)(GFR)で表される腎機能の低下が3カ月以上あるか、もしくは腎臓の障害を示唆する所見が慢性的(3カ月以上)に持続するものすべてを含んでいます(表6)。
 腎臓障害を示す所見として、(1)蛋白尿(たんぱくにょう)などの尿の異常、(2)片腎や多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)、腎結石(じんけっせき)などの画像所見異常、(3)腎機能障害などを示す血液検査異常、(4)異常病理所見があげられています。CKDの重要な点は、末期腎不全透析(とうせき)療法へと進行することと、CKDの病期が進むほど、CVD(心血管疾患)の発症リスクが上昇することです。

原因は何か

 CKDは、ひとつの腎疾患を意味するのではありません。腎機能低下が慢性に進行する、すべての腎疾患を包む疾患概念です。ですから、それぞれの疾患により、原因もさまざまです。

症状の現れ方

 病期1〜2までは、無症状であることがほとんどですが、病期3以降になるとさまざまな症状が出現します。病期3では夜間尿、軽度の高窒素血症(こうちっそけっしょう)、高血圧(軽症)が、病期4では多尿、貧血、中等度の高窒素血症、代謝性(たいしゃせい)アシドーシス、高リン・低カルシウム血症、高血圧(中等度)が認められます。さらに病期5では、著明な高血圧、浮腫(ふしゅ)(むくみ)、肺水腫(はいすいしゅ)、貧血、消化器症状(悪心(おしん)、嘔吐(おうと)など)、循環器症状(うっ血性心不全、不整脈、胸痛など)、皮膚症状(かゆみ、色素沈着など)、神経症状などの尿毒症(にょうどくしょう)症状が出現し、放置すると死に至ります。

検査と診断

 CKDは、蛋白尿と推算(すいさん)糸球体濾過量(eGFR)が60ml分1・73m2未満で診断されます。


 病期分類(病期1〜5)は、GFRの15および30の倍数で区切られ、腎移植患者である場合はT(transplantationのT)を、病期5で透析を受けている場合はD(dialysisのD)をつけます(表7)。

治療の方法

 CKDには、多くの原因疾患が含まれるため、原疾患に対する治療法を選択することになります(詳細は、各論を参照)。
 しかし、いずれにおいても一般療法(生活習慣病・メタボリックシンドロームの是正、感染予防、運動など)、食事療法(減塩・低蛋白食、エネルギーコントロール食など)、薬物療法(レニン・アンジオテンシン系阻害薬、カルシウム拮抗薬、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、血糖降下薬など)、手術のなかから選択されます。

慢性腎臓病(CKD)に気づいたらどうする

 特定健診などで、尿検査所見や画像診断所見、腎機能障害を示す血液検査値に異常を指摘された場合には、腎臓専門医をすぐに受診すべきです。
 これらの所見異常がみられなくてもeGFRが60ml分1・73m2未満の時は、CVD(心血管疾患)の危険性もあることから、心・腎疾患の経過観察を受けることが大切になります。