腎性骨異栄養症(透析骨症)とはどんな病気か

 腎性骨異栄養症とは、慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に関連して起こる骨障害の総称です。原因から(1)線維性骨炎(せんいせいこつえん)、(2)無形成骨(むけいせいこつ)、(3)骨軟化症(こつなんかしょう)、(4)混合型の大きく4つに分けられます。
線維性骨炎(せんいせいこつえん)
 線維性骨炎は、腎機能の低下とともに生じる血液中のカルシウム(Ca)やリン(P)のバランス異常や活性型ビタミンD3の不足が、副甲状腺ホルモンの分泌亢進を招くことで生じる骨の吸収・形成の回転(骨回転)の異常です。咳(せき)や日常の動作で容易に肋骨(ろっこつ)や背骨に骨折を引き起こします。定期的にカルシウムやリン、副甲状腺ホルモン、骨代謝マーカーなどの血液検査や骨X線検査を行います。
 透析前の場合、多くは活性型ビタミンD3の内服で治療が可能です。長期透析例の場合は、加えてリン吸着薬やカルシウム感受性受容体拮抗薬が必要になることがあります。
無形成骨(むけいせいこつ)
 無形成骨は、骨生検(こつせいけん)で極端に骨の吸収と形成の両方が低下した状態です。高齢者や糖尿病、カルシウムやビタミンD3の過剰な摂取患者では、極端に副甲状腺ホルモンの分泌が抑えられるため生じやすいと考えられています。骨折の原因となるか否かについては未だ不明ですが、カルシウムやリンが有効に骨代謝に利用されないため、容易に皮下等の軟部組織や血管などに異所性石灰化(いしょせいせっかいか)を起こします。
 線維性骨炎と同様、血液検査やX線検査により、異所性石灰化を含めた画像評価を行います。過剰なカルシウムやビタミンD3製剤の使用を中止し、高リン血症に対しては、塩酸セベラマーを使用します。
骨軟化症(こつなんかしょう)
 骨軟化症は、活性型ビタミンD3の欠乏あるいは骨のカルシウム沈着部位(石灰化前線)へのアルミニウム沈着により生じる、アルミニウム骨症による骨の石灰化障害です。骨軟化症になると、骨折を起こしやすくなります。血液検査や骨X線検査が診断や治療の指針に有効です。
 ビタミンD3製剤の内服や腎機能低下時にアルミニウム(Al)を含んだ胃腸薬を避けることが、骨軟化症の予防に有効です。