透析アミロイドーシスとはどんな病気か

 透析アミロイドーシスとは、長期透析患者の骨や軟骨、滑膜(かつまく)などの骨関節組織にβ2‐ミクログロブリンを原料とするアミロイド線維が沈着することで生じる、骨・関節障害の総称です。
 長期間にわたる透析患者や透析開始時の年齢が高い患者、純度の低い透析液や体への適合性の低い透析膜を使っての透析を行った場合で、発症のリスクが高いといわれています。

症状の現れ方

 透析アミロイドーシスの早い時期には、アミロイド線維は骨関節組織に沈着します。手首の靱帯(じんたい)や腱(けん)の滑膜(かつまく)に線維が沈着すると、周囲に炎症が起きて近傍の正中神経(せいちゅうしんけい)を圧迫するため、手指の痛みやしびれ、親指の動きに支障を来します(手根幹(しゅこんかん)症候群)。とくに、透析中や夜間に手指の痛みを自覚します。また、手首や手指(ばね指)のほか肩関節(肩関節周囲炎)のこわばるような痛みを認めます。
 破壊性脊椎骨関節症(はかいせいせきついこつかんせつしょう)は重篤な病気で、頸椎(けいつい)に好発し、頸(くび)の痛みや腕のしびれや痛みを感じます。さらに進行すると脊髄を圧迫して神経麻痺(まひ)を生じます。また、球状にアミロイド線維が骨に沈着する嚢胞性骨病変が生じ、病変部分が荷重に耐えられずに骨折することもあります。
 アミロイド線維は、経過とともに全身のさまざまな臓器に線維が沈着し、心不全(しんふぜん)や不整脈(ふせいみゃく)などの臓器障害を引き起こします。

検査と診断

 血液中のβ2‐ミクログロブリン値の上昇だけでは、病気の診断はできません。骨関節病変の診断には、単純X線検査やCT検査を行います。手根幹症候群では、神経電動速度の評価は手術の適応を判断するのに有効です。

治療の方法

 透析アミロイドーシスを根本的に治療する方法はまだ確立していません。発症や進展の予防には、高性能膜を使用した透析や血液濾過透析、透析液の浄化、β2‐ミクログロブリン吸着筒の使用、腎移植などがあります。すでに発症した手根幹症候群や破壊性脊椎骨関節症に対しては、適切な時期に整形外科手術を行うことが唯一の治療法です。