中東呼吸器症候群<感染症>の症状の現れ方

 発熱、咳、呼吸困難が主な症状で、そのほかに喀血、胸痛、筋肉痛などが認められます。消化器症状として腹痛、吐き気、嘔吐、下痢がそれぞれ約20%の患者で認められます。男性に多く、50歳以上の患者が全体の75%を占めます。
 2012年から中東でMERSの流行が確認されていますが、MERSの総患者数は、2015年7月時点の世界保健機関(WHO)の発表によると、サウジアラビアで最も多くの患者が報告され、世界中(多くは中東)で約1400人です。その致死率は40%にものぼります。
 2015年5月にサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールを訪問した韓国籍の人が韓国に帰国後MERSを発症し、その輸入感染事例が感染源となった国内流行が韓国で発生しました。約2カ月で流行は終息しましたが、中国における韓国からの輸入感染事例1名を含めて、2015年7月13日時点で全体で186人(36人が死亡、致死率約20%)の患者が発生しました。

中東呼吸器症候群<感染症>の診断と治療の方法

 特異的な治療法はなく、対症療法が基本です。MERSは患者からヒトに、特に院内感染の形で流行が拡大することから、院内における感染予防策がとても重要です。日本の感染症法では2類感染症に指定されているので、診断した医師はただちに最寄りの保健所に届けなければなりません。