ペニシリウムが産生する毒素による食中毒とはどんな食中毒か

 ペニシリウム属のカビは、温帯から低温地帯の土壌中や環境に生息していて、種によっていろいろな毒性をもつカビ毒を産生します。
 これらの地帯で収穫された農作物には、ペニシリウム属カビが付着している可能性があり、カビ毒の産生に適した条件で貯蔵された場合、農作物(穀類など)がカビ毒によって汚染されることになります。また、ペニシリウム属カビ毒に汚染された飼料を給餌された畜産動物の肉およびその加工品も、カビ毒によって汚染されています。
 カビ毒は一般的に加熱処理や調理工程において解毒されないので、最終食品に多く残存しています。
 ペニシリウム属が産生するカビ毒のうち、ヒトでの食中毒事例があるのは、ペニシリウム・ベルコーサムの産生するオクラトキシンA、シトリニンおよびペニシリウム・エクスパンサムなどが産生するパツリン、ペニシリウム・イスランヂカムが産生する黄変米(おうへんまい)毒などがあります。

症状の現れ方

 日本では、少量を長期間摂取した場合に起こる慢性症状が懸念されます。オクラトキシンAやシトリニンでは腎炎を起こすことが知られています。黄変米毒では肝機能障害や神経障害などが動物実験で報告されていますが、ヒトの事例はありません。
 パツリンはリンゴジュースを汚染することのあるカビ毒で、消化管障害が動物実験で報告されていますが、ヒトの事例はありません。

検査と診断

 摂取した食品中に原因となるカビ毒があるかどうかを調べます。

治療の方法

 汚染している食品を食べないことです。

予防のために

 パツリンはすでに基準値が設定されています。しかし保存中にカビが生えた食品は食べないようにしましょう。