どんな病気か?

 全身の軟骨組織に炎症と破壊が生じる大変まれな病気で、男女差はなく中年に発症することが多いといわれています。好発部位は耳、鼻、関節、気管などの軟骨で、炎症性の破壊によるさまざまな症状が出現します。

原因は何か

 原因は不明ですが、軟骨の成分であるタイプIIコラーゲンや糖蛋白質のプロテオグリカンに対する過剰な免疫作用により、軟骨の炎症、破壊が生じると考えられています。

症状の現れ方

 発症は比較的急で、寛解(かんかい)(症状が落ち着いている状態)と増悪(ぞうあく)(ますます悪くなる状態)を繰り返します。耳介軟骨(じかいなんこつ)に初発することが多く、耳介の疼痛(とうつう)、発赤(ほっせき)、変形を来します。また、関節軟骨、鼻の軟骨の障害頻度が高く、関節痛や鼻すじの変形(鞍鼻(あんび))をきっかけに診断されることも少なくありません。
 とくに注意が必要なのは気管軟骨炎で、軟骨破壊の結果、呼気時に気管が狭くなり、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難が生じることがあります。その他、眼症状(強膜炎など)、血管炎、腎炎(じんえん)、膠原病(こうげんびょう)などを合併することがあります。

検査と診断

 この病気の診断を確定する特有な検査はありません。体の炎症を示す赤沈(せきちん)の亢進(こうしん)、CRPの上昇、軽度の貧血、白血球増多などがみられます。抗タイプIIコラーゲン抗体がみられることがありますが、出現頻度が低く、診断にはあまり役にたちません。
 この病気の診断は臨床症状と病理検査で行います。すなわち、(1)両耳介の軟骨炎、(2)非びらん性の多発関節炎、(3)鼻軟骨炎、(4)眼の炎症、(5)気管の軟骨炎、(6)聴覚、平衡感覚異常、(7)軟骨の生検で、軟骨炎の組織所見のうち3項目以上を認めた場合、再発性多発軟骨炎と診断されます。

治療の方法

 軟骨破壊を防ぐために、炎症を抑えることが重要です。軽症では、非ステロイド性抗炎症薬や少量のステロイド治療が行われます。気管軟骨炎などの重症の場合は、大量のステロイド療法を行うとともに、メトトレキサート、シクロフォスファミドなどの免疫抑制薬を使用する場合があります。
 また、気管軟骨炎では気管狭窄(きょうさく)による気道閉塞(へいそく)のため気管切開、ステント挿入、気管形成術など外科的治療が必要なことがあります。呼吸器症状に注意して、早めに主治医と相談することが大切です。

診断された患者さんが気をつけること

 再発性多発軟骨炎は耳鼻咽喉科、内科、外科の連携が重要ですので、総合病院での外来管理が望ましいと思われます。急性期には軟骨組織が脆弱(ぜいじゃく)になっているため、局所の安静を保つことが大切です。
 また、ステロイド薬を長期間服用することになるので、骨粗鬆症(こつそそうしょう)や感染症に注意して、うがい、手洗いを励行すること、疲労を避けて睡眠を十分とることをおすすめします。