角化異常症とはどんな病気か

 体全体または一部の角層が分厚く、硬く、粗ぞう(そぞう)(あらく、ざらざらした手ざわり)になり、落屑(らくせつ)を生じます。ひどい場合は皮膚の亀裂や、関節拘縮(こうしゅく)を起こします。脱毛や水疱(すいほう)、難聴や眼の異常などの症状が合併することもあります。

原因は何か

 角層産生に関わるさまざまな遺伝子の変異が原因になります。
 代表的には、尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)はフィラグリン変異、伴性劣性(はんせいれっせい)魚鱗癬はステロイドスルファターゼの欠損・変異、水疱型(すいほうがた)先天性魚鱗癬様紅皮症(こうひしょう)はケラチン10または1の変異、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症はトランスグルタミナーゼ1変異、道化師様(どうけしよう)魚鱗癬ではABCA12の変異が検出されています。
 掌蹠(しょうせき)角化症の一部ではケラチン9などの遺伝子異常が明らかになっていますが、原因不明の病気も少なくありません。

症状の現れ方

 尋常性魚鱗癬や伴性劣性魚鱗癬では皮膚が魚の鱗(うろこ)状に見えます。
 道化師様魚鱗癬では分厚い角層に大きい亀裂を伴って生まれてきます。
 非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では、全身の潮紅(ちょうこう)と薄い膜様の大きな角層に包まれた状態(コロジオン児)で生まれることがあります。成長とともに角層肥厚と落屑が生じますが、このような症状は次第に増強する場合もあれば、軽快する場合もあります。
 水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症では乳児期には水疱形成が目立ち、年齢とともに全身の角層が肥厚し、縞模様を示すようになります。
 掌蹠角化症では乳児期より角層の肥厚が掌蹠(手の平や足の裏)に限局して生じます。年齢とともに角層肥厚が増強し、亀裂、疼痛を伴います。

治療の方法

 症状の程度に応じて、角質融解薬、活性型ビタミンD3外用薬、エトレチナート、サリチル酸ワセリンを組み合わせ、生活の質(QOL)の改善を目指した治療を行います。

角化異常症に気づいたらどうする

 皮膚の生検組織を用いた検査、遺伝子診断解析などを行い、診断を確定します。遺伝カウンセリングを受けて、病気に対する理解を深めることも大切です。