多発性内分泌腺腫症とはどんな病気か

 いろいろな内分泌腺(ホルモンを出す臓器)に腫瘍(しゅよう)が発生する病気です。1型と2型がありますが、まったく異なる病気です。
 多発性内分泌腺腫症1型(MEN1)では、副甲状腺(ふくこうじょうせん)・膵腸管(すいちょうかん)内分泌腺・下垂体の3つの臓器のうち2つ以上の臓器に腫瘍が発生します。
 多発性内分泌腺腫症2型(MEN2)では、甲状腺髄様がんがほぼ必発で、副腎褐色細胞腫(ふくじんかっしょくさいぼうしゅ)、副甲状腺過形成がみられることもあります。
 1型、2型ともに、常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝します。

原因は何か

 1型はMEN1遺伝子変異、2型はRET遺伝子変異が主要な原因と考えられています。

検査と診断

 1型では、副甲状腺機能亢進により血液中のカルシウムが増加するのが普通です。その他、腫瘍の種類によりさまざまな症状が出ます。低血糖(インスリノーマ)、難治性消化性潰瘍(なんちせいしょうかせいかいよう)(ガストリノーマ)、乳汁分泌無月経(にゅうじゅうぶんぴつむげっけい)(プロラクチノーマ)などが頻度の高いものです。
 2型でみられる褐色細胞腫では発作性高血圧が特徴です。
 症状から前記の内分泌腺の腫瘍が疑われる場合、血液検査(ホルモンの値など)、尿検査、画像検査(エコー、CT、MRIなど)などによって診断します。
 臨床的に診断が可能ですが、原因遺伝子の変異を調べ、それを見出すことができると、同じ変異を家族が受け継いでいるかどうか調べることが可能になります。これを発症前遺伝子診断といいます。ただし、遺伝子検査は現在のところ保険がききません。

治療と管理方針

 手術治療が主体です。他の内分泌臓器にものちに腫瘍が発生することが多いので、定期的に専門家による検査が必要です。
 発症前遺伝子診断で診断された方についても、定期検査による早期診断が有効です。