胸骨圧迫

 胸骨圧迫は、年齢により方法が異なります。図5に8歳以上、図6に乳児(1歳未満)、図7に小児(1歳以上~8歳未満)の方法を示します。
 胸骨圧迫は、(1)傷病者が動き出す(たとえば嫌がるなどの体動)、(2)正常な呼吸(普段どおりの呼吸)を始める、(3)AEDが到着する、(4)救急車が到着する、まで繰り返し行います。胸骨圧迫をする前にAEDが到着したら、AEDの使用を胸骨圧迫より優先します。
 なお、胸骨圧迫は心停止以外の人に対して実際に力を入れて行うことは大変危険です。胸骨圧迫を練習するときは、人ではなく人形を使って行ってください。

図5 胸骨圧迫の方法(1):8歳以上

<圧迫する部位>
胸の真ん中(目安として乳頭と乳頭を結ぶ
線上の真ん中)を圧迫。 必ずしも衣服を脱がせて確認する必要はない。


<手の組み方>
Aのように、手のひらの部位を圧迫部位に置き、 その上にもう一方の手を重ねる。
Bのように指を組んでも良い。


  • 両肘をまっすぐにして体重をかけ、胸を増したに4~5cmへ混む程度に圧迫する。
    胸部が十分に戻ってから次の圧迫を開始する
  • 1分間に100回の速さで圧迫を続ける

※救助者が人工呼吸を含めた心肺蘇生法を十分に行なう自身がある場合、まず口対口人工呼吸を2回行い、続けて胸骨圧迫を1分間に100回の速さで30回(30回は目標、回数の正確さにこだわらなくてよい)と口対口人工呼吸を2回、この「30回+2回」を行なってもよい。
※救助者が2人いる場合は、2分ごとに交代する。

図6 胸骨圧迫の方法(2):1歳未満

<圧迫する部位>
胸の真ん中(目安として乳頭と乳頭を結ぶ線上の真ん中)の少し下を圧迫する。


  • 救助者の指2本で、胸の厚さの3分の1~2分の1くらいへこむまで圧迫する。
  • 2本の指で十分に圧迫できない時は、両手の親指を圧迫部位にあて、ほかの4本の指で胸骨を包み込んで圧迫する(胸部抱え込み両母指圧迫方)。
  • 1分間に100回の速さで30回圧迫する(30下位は目標、回数の正確さにこだわらなくてよい)。

※1最未満の場合は「口対口鼻人工呼吸+胸骨圧迫」を行なうことがすすめられている。上記と同様、まず人工呼吸を2回行なった後、「30回+2回」を繰り返す。
※救助者が2人いる場合は、2分ごとに交代する。

図7 胸骨圧迫の方法(3)1歳~8歳未満

  • 胸の真ん中(乳頭と乳頭を結ぶ線上の真ん中)を、必要に応じて片手あるいは両手で、胸の厚さの3分の1から2分の1くらいがへこむまで圧迫する。両手の場合は図5と同じ
  • 1分間に100回の速さで30回圧迫する(30下位は目標、回数の正確さにこだわらなくてよい)。

※救助者が人工呼吸を含めた心肺蘇生法を十分に行なう自身がある場合、まず口対口人工呼吸を2回行い、続けて胸骨圧迫を1分間に100回の速さで30回(30回は目標、回数の正確さにこだわらなくてよい)と口対口人工呼吸を2回、この「30回+2回」を行なってもよい。
※救助者が2人いる場合は、2分ごとに交代する。


AED到着

 AED(自動体外式除細動器)が到着したら胸骨圧迫をやめて、すぐに使用します。ただし、AEDは1歳未満の乳児には使用できません。救急車が到着するまで胸骨圧迫を行います。

AED使用の手順

【1】電源を入れる
 AEDの電源を入れたら、音声メッセージに従って操作します。
【2】電極パッドを貼る
 傷病者の胸をはだけ、電極パッドの1枚を胸の右上に、もう1枚を胸の左下側の肌に直接貼りつけます(図8)。貼り付ける位置は、電極パッドやAED本体に描かれているイラストに従います。
 8歳以上には成人用、1歳以上~8歳未満には小児用パッドを使います。もし小児用のパッドがなければ、成人用のパッドを使用してもかまいません。ただし、パッド同士が重ならないように貼らなくてはなりません。
【3】心電図の解析
 AEDが自動的に心電図の解析を始め、電気ショックの必要の有無を判断します。この時、誰も傷病者の体に触れていないようにします。
【4】電気ショック
 電気ショックが必要である旨のメッセージが流れたら、再度、誰も傷病者の体に触れていないことを確認して、ショックボタンを押します。
【5】心肺蘇生の再開
 電気ショックを1回与えたら、すぐに胸骨圧迫を再開します。また、電気ショックが不要な場合も胸骨圧迫を再開します。約2分たつと、再びAEDが自動的に心電図の解析を始めます。
 以後、傷病者が動き出すか、正常な呼吸(普段通りの息)をするまで、あるいは救急車が到着するまで、AEDと胸骨圧迫を約2分おきに繰り返します。